吾妻小富士

吾妻小富士（あづまこふじ）

吾妻小富士は、福島県福島市に位置する標高1,707mの活火山であり、吾妻連峰を構成する山の一つです。正式な山名は摺鉢山（すりばちやま）と言います。その名の由来は、山頂にあるすり鉢状の大きな火口にあります。麓の福島市街地から見上げると、その姿がまるで ছোট富士山のように見えることから、「吾妻小富士」と呼ばれるようになりました。

登山

吾妻小富士へのアクセスは比較的容易です。観光道路である磐梯吾妻スカイラインを経由し、標高1,600m地点にある浄土平まで、路線バスまたは自家用車で向かうことができます。浄土平には駐車場が整備されており、ここから手軽に登山を楽しむことができます。

浄土平の駐車場から磐梯吾妻スカイラインを横断し、整備された階段を約10分ほど登ると、火口壁の稜線に到着します。そこからは、火口壁を一周する「お鉢巡り」を楽しむことができます。火口の直径は約450メートル、一周は約1.5kmで、ゆっくり歩いても1時間弱で元の場所に戻ることができます。

天候に恵まれれば、火口壁からは福島盆地の美しい景色や、眼下に広がる浄土平の雄大な自然を一望できます。手軽なトレッキングコースとしても人気があり、多くの観光客や登山者に親しまれています。

雪うさぎ

早春の頃、吾妻小富士の山肌に残る雪が、まるでウサギのような形に見えることがあります。この現象は「雪うさぎ（吾妻の雪うさぎ）」と呼ばれ、福島市民にとっては春の訪れを告げる風物詩となっています。

古くから、雪うさぎが現れると、農家の人々は苗代に種をまき始める時期だとされていました。そのため、「種まきうさぎ」という別名も持っています。雪うさぎは、自然が教えてくれる季節の便りとして、地元の人々に大切にされてきたのです。

ギャラリー

吾妻小富士の風景

吾妻小富士の全景
火口の様子
浄土平から見上げる吾妻小富士
雪うさぎ
吾妻小富士から望む景色

関連項目

磐梯朝日国立公園：吾妻小富士を含む国立公園
磐梯吾妻スカイライン：吾妻小富士へのアクセス道路
一切経山：吾妻連峰の山
ももりん：福島市のマスコットキャラクターで、雪うさぎがモチーフ
郷土富士：各地にある富士山に似た山

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