呂二十九型潜水艦

呂二十九型潜水艦

呂二十九型潜水艦は、大日本帝国海軍に属する艦級の一つであり、「特中型」あるいは「海中5型」とも称されています。この艦級は、通商破壊を主な目的として第一次世界大戦のUボートの成功に触発されて設計されました。4隻の同型艦が建造され、海軍の潜水艦戦力において重要な役割を果たしました。

概要

設計面では、呂二十九型は機関出力を従来の半分に抑えることで最高速13ノットを実現し、航続力は前型の1.5倍である9,000海里（10ノット時）の長距離航行が可能とされました。気になる装備面では、この艦級が持つ唯一の12cm砲が特筆されます。これは通商破壊戦を展望した際の特別な装備であり、他の同型艦とは異なる点です。

呂二十九型の艦級は、1918年度の八六艦隊案に基づき、1923年から1927年にかけて4隻が就役しました。特に呂31は公試運転中に事故に見舞われ沈没し、追加で新艦が建造されました。最初に就役した呂29は、1936年に除籍され、他の艦も戦争の激化に伴い1942年に除籍されました。戦後、これらの艦は訓練用として大竹の海軍潜水学校に係留されましたが、後に解体されています。

同型艦

• - 呂29: 1923年9月15日竣工した呂号第二十九潜水艦。1936年4月1日に除籍されました。
• - 呂30: 1924年4月29日竣工の呂号第三十潜水艦。1942年4月1日に除籍。
• - 呂31: 1927年5月10日竣工の呂号第三十一潜水艦。1945年5月25日に除籍され、1946年に海没処分。
• - 呂32: 1924年5月31日竣工の呂号第三十二潜水艦。1942年に除籍され、解体されました。

潜水隊の編成と変遷

呂二十九型潜水艦は、早期に竣工した呂29、呂30、呂32の三隻で第25潜水隊を編成し、その後、呂31も加わる形で構成が完了しました。この潜水隊の主な任務は、通商破壊を行うことであり、そのための配備が考慮されていました。

しかし、速力が13ノットに制限されていたため、主に警備任務に使用されました。昭和9年以降はその行動が不明瞭となり、詳細な活動状況については記録が不足しています。最終的には、1942年4月1日をもって第25潜水隊は解隊されました。

年表

• - 1924年6月1日: 第六十八潜水艦（呂29）・第六十九潜水艦（呂30）で第25潜水隊が編成。
• - 1924年6月15日: 第七十一潜水艦（呂32）を編入。
• - 1927年5月10日: 竣工した呂31が加わる。
• - 1936年4月1日: 呂29が除籍。
• - 1942年4月1日: 所属艦の除籍に伴い第25潜水隊が解隊。

終わりに

呂二十九型潜水艦は、戦時下における日本海軍の潜水艦戦力の一部として、重要な役割を果たした艦級でした。その構造や能力から見ても、当時の海中作戦のために設計されたことが明らかです。戦後、これらの艦船は歴史の中で重要な証人としての役割を果たし、今後も多くの人々にとって興味深い存在であり続けることでしょう。

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