呉敬恒

呉敬恒（ごけいこう）について

呉敬恒（または呉稚暉）は、清末から中華民国にかけて活躍した革命家であり、政治家、教育者、言語学者として知られています。彼は中国同盟会の一員で、国民党の反共右派としての立場で著名です。本稿では、彼の生涯や業績について詳しく紹介します。

生い立ちと教育

呉敬恒は貧しい家庭に生まれ、若い頃から学問に励みました。22歳で秀才となり、初めての郷試に合格しましたが、その後の会試では二度連続して失敗します。1897年には北洋大学堂で漢文の教師となり、変法思想に触れる中で康有為の「公車上書」に署名したことで、変法派としての活動が始まります。この頃、南洋公学の学長にも就任し、蔡元培と親しい関係を築きました。

日本留学と帰国後の活動

1901年、呉は自費で日本に留学し、宏文学院で学習します。留学中には成城学校への入学を目指す仲間のためにデモ活動に参加するも、強制的に排除され、一時は自ら命を絶とうとするほどの挫折を経験します。その後、中国に帰国し、上海で愛国学社を設立し反清的な活動を展開しましたが、1903年には政府によって指名手配され香港に逃亡しました。

中国同盟会との関わり

呉敬恒はイギリスで孫文と出会い、彼の思想に魅了されて1905年に中国同盟会に加入します。その後、パリに移り「世界社」を設立し、新しい思想を広めるために週刊誌『新世界』を発刊しました。辛亥革命に伴い、急遽帰国し、孫文の下で教育総長の地位を辞退した後、全国の中国語表記を統一するために尽力しました。

国民党への参加と反共活動

1923年に呉は国民党に参加し、中央監察委員に選出されますが、その後も党内の争いには慎重に臨みました。1927年の上海クーデターの際には蔣介石を支持し、反共の立場を貫き代表として反共演説を行いました。呉は言語に関する活動も続け、1930年には注音符号の改良を提案し、国音常用字彙を発表しました。

戦中・戦後の活動

満州事変を経て、呉は抗日活動に参加し、国民党内でも積極的に発言しました。1943年、政府の要職への就任を辞退した後も、政治活動には関与せずに隠遁生活を送ります。1949年に台湾に移住し、以降も学問に従事しましたが、基本的には公の場から距離を置いて生活しました。

最後の年

1953年10月30日、呉敬恒は台湾で亡くなりました。享年89歳でした。彼の生涯は、中国の近代史において非常に重要な意味を持つものであり、教育や言語に対する貢献は後の世代に大きな影響を与えました。呉敬恒の業績は、変わりゆく中国の中でどのように形作られたのかを考える上でも、非常に貴重な财富です。

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