周吉郡

周吉郡（すきぐん）

周吉郡は、かつて島根県（隠岐国）に存在した郡です。現在の隠岐郡隠岐の島町の東部にあたる地域を郡域としていました。

郡域

1879年（明治12年）に行政区画として発足した当時の郡域は、現在の隠岐郡隠岐の島町の東部（蛸木、加茂、西田、上西、原田、元屋、西村以東）に相当します。

歴史

古代

7世紀後半に、評制の次評として建てられました。701年に次郡となり、713年に周吉郡と改称したと推定されています。

式内社

『延喜式』神名帳に記される郡内の式内社が存在しました。

近世以降の沿革

明治初年時点で、郡の全域は幕府領（松江藩預地）でした。「旧高旧領取調帳」には以下の村が記載されています。

西村、湊村、中村、元屋村、飯美村、布施村、卯敷村、大久村、釜村、犬来村、津井村、飯田村、東郷村、有木村、大光寺村、尼寺村、国分寺村、原田村、上西村、上東村、平村、蛸木村、加茂村、箕浦村、岸浜村、今津村、西田村、下西村、惣社村、護国寺村、矢尾村、目貫村

明治維新期の動向

慶応4年（1868年）
3月20日：隠岐騒動により島民自治となります。
11月6日：鳥取藩預地となります。
明治2年（1869年）
2月25日：隠岐県の管轄となります。
8月2日：大森県の管轄となります。
廃仏毀釈により護国寺村が八田村に改称されます。
明治3年（1870年）：廃仏毀釈により国分寺村が池田村に改称されます。
明治4年（1871年）
6月25日：浜田県の管轄となります。
11月15日：第1次府県統合により島根県の管轄となります。
12月20日：鳥取県の管轄となります。
明治5年（1872年）：廃仏毀釈により大光寺村が石井村に、尼寺村が小原村にそれぞれ改称されます。
明治7年（1874年）
矢尾村・目貫村・東郷村の一部（宇屋町）が合併して西郷港町となります。
津井村が飯田村に、小原村・石井村が有木村に、岸浜村が今津村に、箕浦村が加茂村にそれぞれ合併します。
明治8年（1875年）：上東村が上西村に、惣社村が下西村にそれぞれ合併します。
明治9年（1876年）8月21日：第2次府県統合により島根県の管轄となります。
明治12年（1879年）
1月12日：郡区町村編制法の島根県での施行により行政区画としての周吉郡が発足。「周吉外三郡役所」が中町に設置され、穏地郡・知夫郡・海士郡とともに管轄します。
西郷港町が分割して西町・中町・東町となります。
明治21年（1888年）4月：隠岐島庁が西町に設置され、「周吉外三郡役所」が廃止。以降は地域区分名称となります。

明治以降の町村合併

明治37年（1904年）5月1日：「島根県隠岐国ニ於ケル町村ノ制度ニ関スル件」の施行により、以下の町村が発足。全域が現・隠岐の島町。
西郷町 ← 西町、中町、東町
東郷村 ← 東郷村、飯田村、犬来村、釜村、大久村
布施村 ← 卯敷村、布施村、飯美村
中村 ← 元屋村、中村、湊村、西村、穏地郡伊後村
中条村 ← 上西村、原田村、池田村、有木村、八田村、平村
磯村 ← 下西村、西田村、今津村、加茂村
蛸木村が穏地郡都万村の一部となります。
昭和29年（1954年）7月1日：西郷町・東郷村・中条村・磯村が合併し、改めて西郷町が発足します。
昭和35年（1960年）11月1日：中村が西郷町に編入されます。
昭和44年（1969年）4月1日：周吉郡・穏地郡・海士郡・知夫郡の区域をもって隠岐郡が発足。同日周吉郡は消滅しました。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 32 島根県』角川書店、1979年
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

消滅した郡の一覧
隠岐の歴史
島後島

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