和田正幾

和田正幾 - 日本の英語学者

和田正幾（わだ まさちか、1859年9月6日 - 1933年4月23日）は、日本の著名な英語学者であり、青山学院大学で多くの学生に英語を教えた教授です。彼は日本における英語教育の発展に大きく寄与しました。

生い立ちと学びの経緯

和田は江戸本所割下水に旧幕臣の家に生まれ、1867年に明治維新を契機に駿河国へ移住します。1870年には江原素六の手助けで旧幕臣の和田茂の養子となり、翌年には東京に戻りました。1873年には開成学校に入学し、1876年から東京大学で化学を学びます。この年、宗教の関心から伝道者を志し、横井時雄や山崎為徳とともに同志社神学校に進みますが、自身の適性を感じず短期間で退学します。

その後、1881年3月に津田仙の紹介を受け、耕教学舎（後の青山学院）の経営と教育に携わります。彼は1887年に仙台の東華学校に招聘され、校長代理を務めるなど教育界での地位を確立していきました。その後、1890年にはアメリカのアルビオン大学で修士号を取得し、1892年には東京英学校に戻ってきます。

教育活動

和田は1896年に高等女学校英語科の教員免許を取得し、その後も多くの教育機関で教壇に立ちます。正則英語学校、第一高等学校、日本大学、中央大学、明治大学といった名門校で教鞭を執り、生徒たちに英語教育を行いました。彼の教えは多くの学生に影響を与え、この時期に日本の英語教育の重要な基盤が築かれました。

1906年に青山学院が財団法人として成立すると、和田は校友会の総代に選ばれ、その後も学院の発展に尽力しました。

後年と晩年

1932年12月に円タクに轢かれる事故に遭い、危篤状態に陥りますが回復し、1933年4月23日に脳溢血によって75歳でこの世を去りました。多磨霊園に埋葬されています。

人物像と業績

和田は「英語界の長老」としてその学識が広く認められていましたが、教壇に専念したため、周囲の期待にもかかわらず著書の出版は行いませんでした。非常に謙虚で執筆活動を控えた彼の姿勢から、多くの教え子や同僚からの信頼も厚かったとされています。趣味として切手や切符の収集を楽しんでおり、学者としての一面だけでなく、豊かな人間性を持っていたと言えるでしょう。

著作

和田正幾は自身の著作や論文を数多く残すことはありませんでしたが、青山学院の歴史や自身の経験を編纂した記録には述べられています。彼の生涯を通じての教育への情熱は、今も多くの人々に受け継がれています。彼の人格と学識は、後進に語り継がれるればこそ、今日の英語教育の礎であると言えます。

和田正幾の生涯は、日本における英語教育の発展を支えた重要な歴史を物語っています。彼の功績は、今後も日本の英語学習者や educators のインスピレーションであり続けるでしょう。

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