横井時雄

横井時雄について

横井時雄は1857年12月3日に熊本藩士であり儒学者の横井小楠の長男として誕生しました。彼は熊本市東区沼山津で生まれ、その後の人生で日本の牧師、ジャーナリスト、編集者、逓信官僚、さらには衆議院議員としても名を馳せました。彼は一時期、伊勢時雄という名でも知られており、父の教育理念を受け継ぎ、様々な分野で影響力を持つ人物となりました。

学問と信仰の道

彼は熊本洋学校で学んだ後、1876年に熊本バンドの結成に関与し、さらに上京して開成学校で宣教師カックランから洗礼を受けます。1879年には同志社英学校を卒業し、愛媛県今治市に伝道者として赴任しました。この時期、彼は新島襄により按手礼を受け、宗教活動に専念しました。1883年には熊本バンドの仲間と共に全国基督教信徒大親睦会の活動に参加し、同志社の理事としても活躍しました。

教育と思想の発展

1886年に牧師職を辞任した後、横井は同志社の教師として活動を開始します。1887年に本郷教会の牧師となり、『基督教新聞』と『六合雑誌』の編集にも貢献しました。同時に内村鑑三を支援し、自由主義神学に傾倒していきます。1894年にはその思想を表現した著書『我邦の基督教問題』を出版し、1896年までイェール大学神学校で留学してさらなる思想の深化に努めました。

政界への進出

彼の人生は多方面にわたり、1897年には同志社の第3代社長に就任しますが、学内混乱の責任を感じてわずか1年半で辞職。その後、官界に転身し逓信省官房長を務めました。1903年には衆議院議員に当選し、政治の世界でも活躍を見せましたが、1909年には日本製糖汚職事件に関与して囚われ、職を失います。この一連の出来事は彼の公的な立場に大きな影響を与えました。

最晩年と遺産

横井はまた、雑誌『時代思潮』を発行し、1919年にはパリ講和会議に出席するなど国際的な活動も展開しました。1927年に大分県別府市で逝去し、彼の墓所は京都市天授庵にあります。

家族と親族

横井の家族も特筆に値します。父の横井小楠や母の津世子、さらに妹が海老名弾正の妻という縁がありました。彼の最初の妻は横井みねで、二人の子供をもうけましたが、彼女は若くして亡くなりました。後妻の豊との間にも子供があり、横井家は次世代にも影響を及ぼしました。息子の横井直興、また後に家業に関わった柳瀬存など、それぞれが地元社会で重要な役割を果たしました。

出版物と著作

横井時雄は業績として多くの著作物があり、彼の思想を反映した著書は近代日本のキリスト教徒にとっても重要な資料となっています。特に彼の著書『基督教新論』や『宗教上の革新』などは神学的な議論を促進しました。彼の人生は日本の近代史においても大きな意味を持つものであり、その業績を通して後世にも影響を与え続けています。

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