和音〜Songs for Children〜

DEENが2001年に発表した初のカバーアルバム『和音〜Songs for Children〜』は、童謡、唱歌、フォークソングといったジャンルから選りすぐりの名曲を、豪華なゲストミュージシャンたちとの共演で彩った作品です。

アルバムには、坂本九の「見上げてごらん夜の星を」や、大滝詠一の「夢で逢えたら」など、世代を超えて愛される名曲が多数収録されています。これらの楽曲は、原曲の持つ美しさを尊重しつつ、DEENならではのアレンジとゲストミュージシャンたちの個性が融合することで、新たな魅力が引き出されています。

特筆すべきは、各楽曲に参加した豪華なゲスト陣です。ヴァイオリニストのダイアナ湯川は「見上げてごらん夜の星を」で、彼女の父親が坂本九と同じく日本航空123便墜落事故で亡くなっているという背景も相まって、深い感動を呼び起こします。また、オカリナ奏者の宗次郎は「今日の日はさようなら」で、温かみのある音色を披露しています。さらに、原田知世は「夢で逢えたら」で、透明感のある歌声を聴かせてくれます。

このアルバムには、カバー曲だけでなく、DEENによるオリジナル新曲「大きな空 小さな僕」も収録されています。池森秀一が作詞を手掛けたこの曲は、アルバム全体のテーマである「子供たちへ」というメッセージをより強く表現しており、聴く人の心に優しく響きます。

アルバムのラストを飾る「少年」は、DEENの8thシングル「未来のために」のカップリング曲をセルフカバーしたものです。この曲は、アルバムの中で唯一DEEN自身の楽曲をカバーしたもので、バンドのルーツを再確認させてくれるような、特別な一曲となっています。

参加ミュージシャンは、ダイアナ湯川（ヴァイオリン）、宗次郎（オカリナ）、原田知世（ヴォーカル）、上松美香（アルパ）、塩谷哲（ピアノ）、BEGIN（ヴォーカル、ギター、オルガン）、宮本文昭（オーボエ）、楊興新（胡弓）、桑山哲也（アコーディオン）、Lynx（フルート）と、ジャンルを超えた豪華な顔ぶれです。

ジャケットデザインは北川勝久（Be Planning）、写真は達川範一（Be Planning）が担当。ヘアメイクは仲島恵三（clasico）、スタイリングは土井真由苗（B.M.CO）が手掛けています。クリエイティブコーディネーションは柏隆光（Be Planning）と深貝順（BMG FUNHOUSE）、アーティストプロモーションは高木信一、小林さゆ里（Ading）が担当。A & R Chiefは門司博志（BMG FUNHOUSE）、A & Rは山口育孝（BMG FUNHOUSE）、セールスプロモーションは佐久間博（BMG FUNHOUSE）、スーパーバイザーは中島正雄（BMFC）,吉澤博美・内田宣政（BMG FUNHOUSE）、エグゼクティブプロデューサーは田代秀彦（BMG FUNHOUSE）、神林一夫（グッデイ）他が担当しています。

このアルバムは、単なるカバーアルバムにとどまらず、DEENの音楽的な幅広さと、彼らの音楽に対する深い愛情を感じさせる作品です。子供の頃に親しんだ童謡や唱歌を通して、大人になった今、改めて音楽の素晴らしさを感じることができるでしょう。

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