品川将員

品川将員：石見の勇将、その生涯と伝説

品川将員（しながわ まさかず）は、戦国時代に石見国（現在の島根県西部）で活躍した武将です。益田藤兼という国人領主に仕え、その家臣として名を馳せました。久城布月城主品川大膳、あるいは棫木狼之介、品川猪介といった別名でも知られています。

生い立ちと仕官

天文13年（1544年）に品川員永の子として生まれたとされています。父・員永は、親類を頼って石見の益田氏に仕官しました。将員は親族の将員の名を引き継いだと考えられています。

石見随一の弓の名手

将員は石見において、その弓の腕前で名を轟かせていました。並外れた腕力を持ち、益田氏の主力として数々の戦で活躍しました。その勇猛果敢な戦いぶりは、敵対する尼子氏の家臣である山中鹿介も警戒したほどでした。

山中鹿介との宿命の対決

永禄8年（1565年）、第二次月山富田城の戦いにおいて、将員は出雲国広瀬川の中州で、宿敵・山中鹿介と一騎討ちに挑みました。しかし、激戦の末に敗れ、討ち取られてしまいました。

この一騎討ちの経緯については、毛利氏側と尼子氏側の記録で異なっています。

毛利氏側の記録：大膳が優勢に戦いを進めていたところ、秋上宗信という人物が乱入し、邪魔をしたために鹿介に討たれた。
尼子氏側の記録：大膳は弓を持ち出したが、秋上宗信が弓弦を射切るという妙技を見せたため、弓を諦め、尋常な勝負に臨んだ結果、鹿介に討たれた。

いずれにしても、この一騎討ちは、両者の武勇を示す有名なエピソードとして語り継がれています。

墓碑と子孫

将員の墓は、島根県安来市にあります。長年荒廃していましたが、大正7年（1917年）に子孫の品川友太郎によって石碑が建立されました。題字は山県有朋、撰文は平田東助によるものです。また、益田市上郷の品川家墓所にも墓が存在します。

また、萩城の五郎太石事件で益田元祥の普請方肝煎として対応にあたった栗山三郎右衛門兼成は、大膳の外孫にあたります。

関連作品

* NHK大河ドラマ『毛利元就』（1997年） - 林邦史朗が品川狼之介役を演じました。

品川将員は、その武勇と悲劇的な最期によって、戦国時代の記憶に深く刻まれた武将の一人です。

もう一度検索