唐池恒二

唐池恒二：地方再生を牽引した情熱の経営者

唐池恒二（からいけ こうじ）氏は、1953年4月2日生まれの日本の経営者であり、九州旅客鉄道（JR九州）の取締役相談役、九州観光機構会長、事業構想大学院大学特別招聘教授を務めています。JR九州においては、代表取締役社長、会長を歴任し、数々の改革を成し遂げました。

生い立ちと国鉄入社

大阪府出身の唐池氏は、大阪府立三国丘高等学校、京都大学法学部を卒業。高校・大学時代は柔道部に所属し、柔道に打ち込む日々を送りました。就職活動を積極的に行っていなかったものの、柔道部の先輩に誘われる形で1977年4月に日本国有鉄道（国鉄）に入社。同期には、JR九州社長の青柳俊彦氏、東海旅客鉄道会長の柘植康英氏がいます。

JR九州での活躍

国鉄分割民営化後の1987年、JR九州に入社。リゾート列車「ゆふいんの森」やSL快速「あそBOY」、博多 - 釜山間の高速船「ビートル」など、数々の魅力的な企画を手がけました。これらの企画は、九州の観光振興に大きく貢献しました。

外食事業の再建

1993年には外食事業部次長に就任し、8億円もの赤字を抱えていた外食事業の立て直しに尽力します。様々な経営改善策を実行し、3年で黒字化を達成。外食事業の子会社化（JR九州フードサービス）を主導しました。2000年には再びJR九州フードサービスの社長に再任し、炭焼創菜料理店「うまや」の東京進出などを推進。同社の経営を立て直し、黒字化に貢献しました。

「ななつ星 in 九州」の誕生

2009年6月から2014年6月までJR九州の代表取締役社長を務め、豪華列車「ななつ星 in 九州」の立ち上げに尽力しました。「ななつ星」は、九州の美しい自然や文化を堪能できるクルーズトレインとして、国内外から高い評価を受けています。2014年6月には代表取締役会長に就任し、JR九州のさらなる発展に貢献しました。

九州観光機構会長として

2021年6月、九州観光推進機構の会長に就任。その後、組織名称を九州観光機構に変更し、九州の観光振興に力を注いでいます。

著書

唐池氏は、その経営哲学やリーダーシップについて、数多くの著書を執筆しています。

『JR九州・唐池恒二のお客さまをわくわくさせる発想術 世界から集客!』（2011年、ぱる出版）
『やる！ 唐池恒二の夢みる力が「気」をつくる』（2014年、かんき出版）
『鉄客商売〜ＪＲ九州大躍進の極意』（2016年、PHP研究所）
『本気になって何が悪い 新鉄客商売』（2017年、PHP研究所）
『感動経営 世界一の豪華列車「ななつ星」トップが明かす49の心得』（2018年、ダイヤモンド社）
『逃げない。 リーダーに伝えたい70の講義』（2020年、PHP研究所）

これらの著書を通じて、唐池氏の経営哲学やリーダーシップ、そして九州への熱い想いを垣間見ることができます。

唐池恒二氏は、その情熱と革新的な発想で、JR九州を大きく発展させ、九州の観光振興に大きく貢献した人物です。彼のリーダーシップと経営手腕は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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