唐澤昌宏

唐澤 昌宏について

唐澤昌宏（からさわ まさひろ、1964年生まれ）は、日本の現代美術史家であり、特に工芸分野において大きな業績を持つ人物です。彼は国立工芸館の館長を務めるほか、日本陶磁協会賞選考委員、国際陶芸アカデミーの会員としても活動しています。彼の専門分野は近代・現代工芸史であり、日本の陶芸や工芸の発展に寄与してきました。

経歴

1964年に愛知県名古屋市で生まれた唐澤は、青春時代に美術教員の指導を受け、愛知県立旭丘高等学校美術科に進学しました。そこで彫刻に魅了され、愛知県立芸術大学では彫刻制作に専念します。その後、同大学の大学院美術研究科を修了し、学問の道を歩むこととなります。大学院卒業後、唐澤は愛知県陶磁資料館（後の愛知県陶磁美術館）で学芸員としてのキャリアをスタートさせます。2003年には東京国立近代美術館の主任研究員に就任し、2010年には工芸課長に昇進します。

2018年には小山冨士夫記念賞を受賞し、その評価は更に高まりました。2020年には国立工芸館が開館すると同時に、その館長に就任します。2023年には彼が企画した「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」が成功を収め、来館者数5万人を達成しました。この展覧会は、国立工芸館における一つの展覧会としての来館者数記録を樹立するなど、彼の業績を象徴するイベントとなりました。また、2023年から2024年にかけて開催される「Pokémon Trading Card Game イラストレーションコンテスト 2024」の特別審査員も務めています。

業績

唐澤昌宏は数多くの書籍や展覧会の企画に携わっています。以下は彼の主要な業績の一部です。

単著

• - 『窯別ガイド日本のやきもの 瀬戸』（淡交社、2003年）

共著

• - 『日本やきもの史』（矢部良明監修、荒川正明・伊藤嘉章・岡佳子・金子賢治・唐澤昌宏・齊藤孝正・佐々木秀憲著）（美術出版社、2018年）
• - 『やきものを知る12のステップ』（淡交社、2019年）

企画した主な展覧会

• - 「現代の陶芸1950－1990」（愛知県美術館、1993年）
• - 「現代陶芸の若き旗手たち」（愛知県陶磁美術館、1996年）
• - 「桃山陶に魅せられた七人の陶芸家」（山梨県立美術館、2003年）
• - 「人間国宝の日常のうつわ―もう一つの富本憲吉」（東京国立近代美術館、2004年）
• - 「荒川豊藏と加藤唐九郎」（佐野美術館、2004年）
• - 「青磁を極める－岡部嶺男展」（東京国立近代美術館、2008年）
• - 「現代工芸への視点―装飾の力」（東京国立近代美術館、2009年）
• - 「現代工芸への視点―茶事をめぐって」（東京国立近代美術館、2010年）
• - 「茶陶―造形と意匠にみる現在性」（多治見市文化工房ギャラリーヴォイス、2011年）
• - 「日本伝統工芸展60回記念－工芸からKŌGEIへ」（東京国立近代美術館、2013年）
• - 「青磁のいま―受け継がれた技と美 南宋から現代まで」（東京国立近代美術館、2014年）
• - 「The 備前―土と炎から生まれる造形美―」（愛知県陶磁美術館、2020年）
• - 「近代工芸と茶の湯のうつわ―四季のしつらい―」（国立工芸館、2021年）
• - 「『ひとがた』をめぐる造形」（金沢21世紀美術館、2022年）
• - 「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」（国立工芸館、2023年）

唐澤昌宏の知識と経験は、日本の陶芸文化の理解と発展に大きく寄与しており、今後の活動にも期待が寄せられています。

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