嘉定府

嘉定府の歴史

嘉定府（かていふ）は、中国の歴史において、現在の四川省楽山市一帯に存在した行政区画です。その起源は宋代に遡り、元、明、清の各王朝を経て、中華民国初期に廃止されるまで、その姿を変えながら歴史を刻みました。

南宋時代

1196年（慶元2年）、南宋により、それまで嘉州と呼ばれていた地域が嘉定府へと昇格しました。この時、嘉定府は成都府路に属し、以下の地域を管轄していました。

竜游県
峨眉県
洪雅県
夾江県
犍為県
豊遠監

これらの地域は、現在の楽山市を中心とした一帯を指します。

元朝時代

1276年（至元13年）、元朝の支配下に入ると、嘉定府は嘉定府路総管府と改称されました。この時、嘉定府路は四川等処行中書省に属し、行政組織が再編されました。

管轄地域は以下の通りです。

録事司
直属の県：竜游県、峨眉県、夾江県、犍為県
眉州に属する県：彭山県、青神県
邛州に属する県：大邑県

この時期には、管轄地域が拡大し、より広範囲を支配するようになりました。合計1司2州7県を管轄しました。

明朝時代

1371年（洪武4年）、明朝が成立すると、嘉定府路は再び嘉定府と改められました。しかし、1376年（洪武9年）には、嘉定府は嘉定州へと降格されました。嘉定州は四川省に属し、以下の6県を管轄しました。

峨眉県
洪雅県
夾江県
犍為県
栄県
威遠県

この時期には、行政区画の名称と管轄範囲が調整されました。

清朝時代

1673年（康熙12年）、清朝の時代になると、嘉定州は再び嘉定府へと昇格しました。この時、嘉定府は四川省に属し、以下の地域を管轄しました。

楽山県
峨眉県
洪雅県
夾江県
犍為県
栄県
威遠県
峨辺庁

この時期には、峨辺庁が新たに管轄下に入り、行政範囲がわずかに変更されました。

中華民国時代

1913年、中華民国が成立すると、嘉定府は廃止され、その長い歴史に幕を閉じました。これにより、嘉定府という行政区画は地図から消え、現代の行政区画へと移行しました。


嘉定府は、その存在を通して、中国の地方行政制度の変遷を反映しています。その歴史は、地域社会の発展と変革の過程を示す重要な事例と言えるでしょう。

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