四十曲峠

四十曲峠について

四十曲峠（しじゅうまがりとうげ）は岡山県真庭郡新庄村と鳥取県日野郡日野町の境界に位置しており、標高は780メートルです。この峠は古くから出雲街道の難所として知られており、播磨国と美作国、伯耆国を経て出雲国に至る重要な交通路となっています。特に中世には後醍醐天皇や後鳥羽上皇が隠岐に流罪になる際に通ったことから、多くの歴史的な背景を持っています。

江戸時代には、松江藩の参勤交代の際にも利用され、当時の重要性が再確認されました。虎徹トンネルの入り口近くから峠への道が現在も残っており、トンネルが開通する前は美作から備中へ向かう道の分岐点でもありました。この峠の鳥取側では、九十九折れの急斜面を短間隔で登っていくため、交通には慎重さが求められます。

現在、国道181号は1968年に開通した四十曲トンネルを利用しており、延長が1863メートルにも及びます。しかしながらトンネルは幅が狭く、大型車両同士がすれ違う際には壁に接触しないよう気を付けなければなりません。峠の前後の区間は急カーブや急勾配が続くため、特に冬季には交通の難所となります。

1992年に米子自動車道が全通するまで、米子市と中国自動車道の落合インターを結ぶ重要な交通路として多くの車両が通行していました。四十曲トンネルの内部は勾配があるため、排気ガスが常に充満していましたが、最近ではトンネル利用を避ける車両が増えたことで比較的静かな場所となっています。ただし、大型トラックの通行量は依然として多いです。

また、かつては山陰特急バスがこの峠を通過する際、車掌が急カーブや勾配の厳しさをアナウンスしていたこともあり、峠の特徴的な難所ぶりが伺えます。鳥取県側には「板井原トンネル」があり、ヘアピンカーブの形状をしているため、冬季にはスリップ事故が起きやすく、多くの傷跡が見られます。

峠の旧道は新庄村側で盛土されていて、四輪車では進入ができません。日野町側では四駆車のみが峠手前まで進入できますが、進入禁止の標識も立てられています。実際には、倒木やガレ場で進通行が非常に困難です。また、長年の水害により轍が抉れている状態です。

峠には「東宮殿下行啓記念」の県境石柱があり、2020年10月現在、森林整備のための作業が新庄村側から行われていますが、日野町側は倒木により通行ができません。

まとめ

四十曲峠は歴史的な背景を持つ重要な峠であり、現在も交通路として多くの人に利用されていますが、厳しい自然環境が厳しく影響を与えている場所でもあります。冬場の交通には十分な注意が必要です。

もう一度検索