四国地区大学野球連盟

四国地区大学野球連盟は、四国地方に所在する大学および高等専門学校によって組織される大学野球リーグです。全日本大学野球連盟に加盟しており、この地域の大学野球の発展と全国大会への代表選出を担っています。

歴史的経緯

本連盟の歴史は、戦後間もない1947年に設立された全国新制大学野球連盟の西部地区（中国・四国・近畿を合わせた地域）に遡ります。1949年には、この西部地区内に四国地区新制大学野球連盟が設立され、地域ごとの組織化が進みました。1952年に全日本大学野球連盟が誕生すると、四国地区は西部地区大学野球連盟に編入・移行しました。全日本大学野球選手権大会への代表決定は、長らく中国・四国地域の全参加校によるトーナメント形式で行われていました。その後、1967年には代表決定方式が見直され、まず四国地区内で代表校を決定し、その後に西部地区全体の代表決定戦を行う形に変更されました。大きな転換点は1991年で、全日本大学野球選手権大会の出場枠が西部地区から独立し、四国地区単独での全国大会出場権を獲得しました。これにより西部地区という枠組みは解消され、四国地区独自のリーグとして現在に至っています。

リーグ運営の仕組み

連盟は、加盟校数に応じてリーグを部制に分けて運営しています。現在の構成は1部リーグと2部リーグの二つで、それぞれの部に最大で6校が所属します。各部は前シーズンの成績に基づいて分けられ、最上位リーグを1部、その下を2部と称します。

大会は春季と秋季の年2回、それぞれリーグ戦形式で実施されます。各シーズンのリーグ戦終了後には、上位リーグと下位リーグの間で所属をかけた入れ替え戦が行われます。

対戦ルール

1部リーグ: 春秋ともに、各校が他の全ての加盟校と対戦する総当たり戦です。対戦形式は「2戦先勝方式」を採用しており、勝ち点制によって順位を決定します。引き分け試合が発生した場合は、原則として再試合を行います。
2部リーグ: 春秋ともに、各校が他の全ての加盟校と2回ずつ対戦する総当たり戦です。順位は勝率によって決定されます。こちらも引き分け試合は再試合となります。

2戦先勝方式の詳細

1部リーグで採用される2戦先勝方式では、同一の相手校との対戦を連続した日程で行います。先に2勝したチームがそのカードの勝利となり、対戦はそこで終了します。1勝1敗となった場合は、勝敗を決するために第3戦を実施します。ただし、連戦の2日目を終えて1勝1敗となった場合は、第2戦に続けて同日に第3戦を行うルールとなっています。また、もし第1戦が雨天などで順延となった場合は、2日目に第1戦と第2戦を連続して行うダブルヘッダーとし、ここで1勝1敗になった際は、後日の予備日（多くの場合、予定最終週の翌週）に第3戦を行います。この連盟独自のルールとして、第4戦以上は行われません。そのため、例えば1勝1敗1引き分けや、1勝2引き分け、1敗2引き分けといった状況で3試合を終えた場合でも、そのカードの対戦は終了となり、両チームともに勝ち点を得ることはできません。勝率計算においては、1引き分けは0.5勝として扱われます。

順位決定方法

勝ち点制（1部）: 同一の対戦相手に勝ち越した場合に「勝ち点1」を獲得します。最終的な順位は、獲得した勝ち点の数が多い順に決定されます。勝ち点が同じチームが複数ある場合は、全体の勝率を比較して上位を決めます。勝ち点も勝率も全く同じで、なおかつ優劣の決定が必要な場合に限り、順位決定戦（プレイオフ）を実施します。この決定戦の成績は、リーグ戦全体の成績には加算されません。
勝率制（2部）: 各チームの全勝数を、引き分け試合を除いた全試合数で割った数値（勝率）を用いて順位を決定します。勝率が高いチームが上位となります。

入れ替え戦

各リーグ戦の全日程終了後、1部リーグの最下位チームと2部リーグの優勝チームの間で入れ替え戦が実施されます。対戦形式は1部と同じ「2戦先勝方式」です。この入れ替え戦で勝利したチームは、次シーズンの1部リーグに所属することになります。敗れたチームは次シーズンを2部リーグで戦います。

主な試合会場

リーグ戦や入れ替え戦は、主に加盟大学近隣の公営野球場や、各大学が所有する野球場を使用して行われます。近年使用されている主な球場には、愛媛県の坊っちゃんスタジアムやマドンナスタジアム、香川県のレクザムスタジアム、徳島県のオロナミンC球場、高知県の高知県立春野運動公園野球場などがあります。

加盟校

2024年度秋季リーグ戦開幕時点での加盟校は以下の通りです。

1部リーグ: 四国学院大学、聖カタリナ大学、松山大学（旧称：松山商科大学）、高知工科大学、愛媛大学、高知大学
2部リーグ: 香川大学、鳴門教育大学、徳島大学、徳島大学医学部、香川高等専門学校高松キャンパス（旧称：高松工業高等専門学校）、新居浜工業高等専門学校（1990年春季に一旦脱退後、2019年春季に再加盟）

かつて本連盟に加盟していたチームとしては、弓削商船高等専門学校、高知工業高等専門学校、阿南工業高等専門学校、詫間電波工業高等専門学校（後に香川高専に統合）、徳島文理大学（旧称：徳島文理大学香川校）などがあります。

四国地区大学野球連盟は、地域における大学野球のレベル向上と、全国の舞台で戦う選手たちの育成を目指し、活動を続けています。

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