四国高速運輸

四国高速運輸株式会社

四国高速運輸株式会社（しこくこうそくゆんゆ）は、徳島県徳島市を拠点とする運輸業を営む企業です。この社名を持つ法人は、その歴史において二つの異なる時期に存在しており、特に1991年を境に世代が分かれているという特徴があります。

初代「四国高速運輸」の時代（1952年～1991年）

初代にあたる四国高速運輸株式会社は、1952年8月28日に「丹生谷運送株式会社」として設立されました。当初は、淡路島とを結ぶ旅客船事業を展開していた共同汽船の子会社として誕生しています。

1966年4月3日には、社名が「四国高速運輸株式会社」（初代）へと改められました。1980年代に入ると、当時全国的に拡大していたヤマト運輸（現在のヤマトホールディングス）が手掛ける宅配便サービス「宅急便」の、四国エリアにおけるフランチャイズ展開を担うこととなります。ただし、この時点ではヤマト運輸との間に資本的なつながりや人的な交流は一切ありませんでした。

しかし、親会社である共同汽船が1989年に連続して事故を起こし、経営状況が悪化したこと、また、クール宅急便のような新しいサービスに自社単独では対応が難しかったことなどから、経営の転換を迫られることになります。これを受け、1990年にはヤマト運輸からの資本参加を受け入れ、翌1991年には完全子会社化されました。この際に社名も「四国ヤマト運輸株式会社」へと変更されています。

四国ヤマト運輸となった後、事業拠点の再編が進み、営業部門は1996年に香川県綾歌郡宇多津町へ、本社機能も1998年には高松市へとそれぞれ移転しました。そして、最終的に2003年4月1日、親会社であるヤマト運輸に吸収合併される形で、法人としての歴史に幕を下ろしました。

なお、かつて四国ヤマト運輸の本社が置かれていた場所は、現在ではヤマトホームコンビニエンスの事業所として利用されています。また、「四国ヤマト運輸」という名称が完全に消滅するのは、法人が吸収合併された後も長く存続していた四国ヤマト運輸労働組合が、ヤマト運輸労働組合に統合された2019年6月まで待つことになります。

二代目「四国高速運輸」の時代（1991年～）

初代の四国高速運輸がヤマト運輸の傘下に入り、四国ヤマト運輸へと社名を変更したのと同じ1991年6月21日、それまで「四国物流株式会社」という名称であった法人が、「四国高速運輸株式会社」（二代目）へと商号を変更し、新たな歴史を開始しました。

この二代目の四国高速運輸は、初代の四国高速運輸が行っていた事業のうち、宅急便以外の領域、例えば特別積合せ貨物運送事業などを承継する形で活動を続けています。かつては、初代が宅急便事業を行っていた名残として、車両から「宅急便」のロゴが消された跡が見られるものも存在しました。

財務面では、2006年12月に資本金を大幅に減資しており、従前の2億9999万円から1億円へと変更されています。

現在も徳島県徳島市に本社を置き、運輸事業を継続しています。

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