四社神社 (横芝光町)

四社神社について

四社神社（ししゃじんじゃ）は、千葉県山武郡横芝光町屋形に位置する神社で、かつては郷社として地域の人々に親しまれてきました。この神社は、建速須佐之男命（たけはやすさのおのみこと）、別雷命（わけいかずちのみこと）、天児屋根命（あめのこやねのみこと）という三柱の神と、学問の神様として知られる菅原道真公（すがわらのみちざねこう）を祀っています。

歴史

四社神社の創建は、平安時代初期に遡ります。寛平元年（889年）に臣籍降下し上総介に任じられた高望王（たかもちおう）が、昌泰元年（898年）に上総国武射郡に屋形を構え、その屋形の鬼門にあたる場所に、延喜元年9月29日（901年1[[1月12日]]）にこの神社を建立したと伝えられています。さらに、延喜2年（902年）5月には、近隣に寺院も建立されたとされています。

天慶2年（939年）に発生した承平天慶の乱の際、朝廷軍が戦勝を祈願したことから、「四社大明神」と称されるようになりました。この名称は、この神社が地域において特別な存在であったことを物語っています。

しかし、戦国時代に入ると、この地も戦乱に巻き込まれます。天正14年（1586年）5月には、北条氏の家臣である坂田城主・井田胤徳（いだたねのり）が里見勢の侵攻を退けた栗山川合戦、天正18年（1590年）3月には豊臣秀吉の小田原征伐に伴う蓮沼合戦があり、これらの戦火によって、四社神社は近くにあった無量寺とともに焼失してしまいました。

現在の本殿は、元禄元年（1688年）11月に再建されたもので、宝暦3年（1753年）に改修されました。この再建と改修には、村人だけでなく、九十九里浦中や江戸の干鰯問屋、造船家などからも寄付が集められ、地域全体でこの神社を支えたことがわかります。

江戸時代には、享保4年（1719年）に神祇官卜部兼敬（じんぎかんうらべかねたか）の奉幣があり、もとは正一位四社大明神と称されていましたが、明治2年（1869年）に「四社神社」と改称しました。さらに、明治6年（1873年）には郷社に列せられ、その地位が確立しました。

行事

四社神社では、古くから1月18日（現在は1月の第3日曜日）に祭礼が行われ、「潮祭り」と呼ばれる里神楽が奉納されます。この神事は、大釜で沖合いから運んだ海水を沸かし、その湯を浴びることで郷中安全と豊漁を祈願する湯立神楽です。この祭りは、地域の文化と信仰を今に伝える重要な行事となっています。

アクセス

四社神社へのアクセスは、総武本線横芝駅から千葉交通バス蓮沼循環に乗り、上堺小学校で下車後、徒歩約15分です。周辺には、南西方向に約2キロメートル離れた場所に五所神社、約5キロメートル離れた場所に大宮神社があります。これらの神社と合わせて訪れるのも良いでしょう。

参考文献

『千葉県の地名（日本歴史地名大系 12）』平凡社、1996年。ISBN 978-4-582-49012-1
『全国神社名鑑 上巻』全国神社名鑑刊行会史学センター、昭和52年。
『山武郡郷土誌』千葉県山武郡教育会、大正5年初版、昭和62年復刻版発行、臨川書店。ISBN 4-653-01582-1

外部リンク

屋形四社神社（里神楽） 横芝光町
* 屋形四社神社 - ちば観光ナビ 千葉県公式観光サイト

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