四至神

四至神について

概要

四至神（みやのめぐりのかみ）は、三重県伊勢市にある神社の一部であり、その祭神は神域を守る守護神です。伊勢市にはこの神社が2社存在し、1社は伊勢神宮の内宮所管、もう1社は外宮所管です。これら2社の四至神は、神域の四方を守護する役割を果たしており、特にその祭儀を捧げるための祭壇という形で存在しています。注目すべきは、社殿を持たないことです。磐座（いわくら）祭祀の形態を保持している点が特徴的です。

外宮の四至神

外宮所管社の四至神は、外宮神域内に位置し、九丈殿と五丈殿のある大庭に鎮座しています。九丈殿の南側には一段高いつい立てがあり、その上には1本の榊が立っています。このシンプルな光景には、独特な形をした石が榊の根元に据えられています。ここで参拝者がその石を拝むことがあるが、それは誤解であり、実際は四至神への祭祀が主な目的です。_

この伝統の記録は古く、『延暦儀式帳』には宮廻神（みやのめぐりのかみ）に関する記述が残っていますが、その祭祀が行われた具体的な場所については分かっていません。中世の時代には、四至の神が44座に分かれ、宮中で祭りを行ったとされるが、そこも具体的な位置は不明のままです。近世になると、「廻神16座」として具体的な祭りの日程が決まり、特定の石段での祭儀が行われました。しかし、外宮の境内では石積みが多く形成され、どれが四至神に関連するのか、または遥拝所なのか、明確な区別がつかなくなってしまった経緯があります。そのため、明治初期には境内の石積みの整理が行われ、重要な祭祀を続けるために九丈殿での祭儀が再開されました。現在は年に5回、四至神に捧げられる奉幣の儀が執り行われています。

内宮の四至神

内宮所管社の四至神は、内宮神域内に位置し、五丈殿の東方に鎮座しています。この場所には小さな石段が2段あり、その上に石神として祀られています。内宮の四至神も外宮と同様に、1つの位置にまとめられて祀られるようになりました。

アクセス

外宮の四至神へのアクセスは、JR参宮線または近鉄山田線の伊勢市駅から南口を出て外宮参道を徒歩で5分ほどの距離です。また、三重交通の「伊勢市駅前」バス停からも徒歩5分、「外宮前」バス停からも近くにあります。車でのアクセスは、伊勢自動車道の伊勢西ICから国道32号を北へ約5分です。同様に内宮の四至神へのアクセスも簡単です。伊勢市駅或いは宇治山田駅から三重交通バスで約15分、内宮前に下車できます。車の場合は伊勢西ICより南へ約5分の距離です。

参考文献

• - 『お伊勢さん125社めぐり』別冊『伊勢人』
• - 櫻井勝之進『伊勢神宮 <改訂新版>』

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