囲碁の手合割

囲碁の手合割について

囲碁における手合割（てあいわり）とは、対局者間の実力差を調整するためのハンディキャップのことです。これにより、実力差のある者同士でも対等に勝負を楽しむことができます。手合割は、単なるハンディキャップの付与だけでなく、実力差や段級位差を表す指標としても用いられます。

手合割の概要

囲碁では、対局者の棋力に応じてハンディキャップを調整し、対等な勝負を目指します。実力差がない場合は、先手と後手を交互に担当する「互先（たがいせん）」という形式で対局します。この際、先手は後手に一定の目数（コミ）をハンディキャップとして与えます。

棋力に差がある場合は、下位者が先手でコミなしで打つか、下位者が事前に盤面に石を置いてから対局を開始する「置き碁（おきご）」という形式が用いられます。置き碁では、必ず上位者が先手で対局を開始します。この時、上位者を「上手（うわて）」、下位者を「下手（したて）」と呼びます。

プロ棋士の手合割

現代のプロ棋士の対局は、基本的に互先で、先手がコミを出す「コミ碁」で行われます。かつては、日本棋院設立以前には、二段差で1子のハンディキャップが用いられていましたが、日本棋院が設立した大手合では、三段差で1子のハンディキャップが基準とされました。この制度は2003年に日本棋院、2004年に関西棋院で廃止されました。

かつての手合割では、先相先（せんあいせん）という方式で、3局を先手、後手、先手の順で対局しました。昔は先手、先手、後手の順で打つ「先先先（せんぜんせん）」という方式もありました。また、上位者から特定の手合割を表現する際には、「向（むこう）」という言葉を使い、「向二子（むこうにもく）」のように表現しました。

原則として、対局でどちらかが4番勝ち越した場合に手合割が変更されます。下位者が勝ち越した場合は、昇段の権利を主張できますが、実際には複数の対局相手との成績を考慮して昇段が決定します。この仕組みは棋士の数が少ないうちは有効でしたが、棋士数が増加すると判定基準が難しくなり、大手合制度が導入され、点数制で成績を評価するようになりました。

アマチュアの手合割

アマチュアの場合、段級位は1段級差につき1子のハンディキャップとするのが一般的です。手合割の変更や昇段、昇級の基準は、特に定まったものはなく、対局者同士でルールを決めることが多く、3番、4番勝ち越しなどが一般的です。昇段、昇級は、日本棋院などのプロ組織が発行する免状によるものから、碁会所やクラブが独自に定めるものまで様々です。

緑星会方式

アマチュアの囲碁研究会である緑星会で採用された点数方式は、代表的な点数方式として知られています。この方式では、置き碁と1目刻み5目までのコミ出しを組み合わせた手合割を用います。対局者それぞれに持ち点があり、持ち点の差をコミの目数とします。コミが5目を越えるごとに置き石が1つ増え、コミはマイナス5目となります。6点差は2子局で下位者の5目コミ出しとなり、点差が大きくなるにつれて下位者のコミは減少し、11点差になるとコミが0目の2子局になります。12点差からは上位者のコミ出しを1目ずつ増やしていきます。対局者は、1勝すれば1点増え、1敗すれば1点減ることで、点数を実力に見合うように調整します。

その他の方式

上記以外にも、様々な手合割の方法があります。ネット碁では、多くの参加者の手合割を効率的に決めるために、独自の点数制や段級位を組み合わせた方式が用いられています。

囲碁の手合割は、対局をより公平で楽しめるものにするための重要な要素です。それぞれの棋力や状況に応じて、最適な手合割を選択し、囲碁の奥深さを堪能してください。

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