互先

互先（たがいせん）

互先とは、囲碁の対局における手合割の一つで、ハンデキャップなしの対局を指します。一般的に、棋力が近い者同士が対戦する際に採用されます。

概要

囲碁は、単純に目数で勝敗を決める場合、先手（黒）が有利とされています。そのため、互先での対局では、先手と後手（白）の均衡を図るために「コミ」という制度が用いられます。コミとは、後手（白）に与えられるハンデのようなもので、日本においては、2000年代以降、6目半のコミが一般的です。つまり、先手（黒）は7目以上リードしないと勝利することができません。

先手と後手は、対局前に「ニギリ」という方法で決定されます。ニギリとは、碁笥（ごけ）に入った碁石を握って、その数を当てる方法です。偶数なら白、奇数なら黒を持つことになります。

互先の用語は、もともとコミの制度がない時代に、互いに先（交互に黒と白）を持つことからきています。コミがない時代は、先手で打つ回数が多い分有利なため、公平な手合割として、互先が用いられていました。

棋力に差がある場合には、互先ではなく、定先や置き碁といったハンデを設けた手合割が用いられます。定先とは、常に同じ側が先手を持つ対局形式です。置き碁は、あらかじめ黒が碁盤上に石を置いてから対局を開始する形式です。

コミ

コミは、囲碁におけるハンデキャップの一つです。先手有利を是正するために、後手（白）に一定の目数を加算するルールです。現代の囲碁では、日本ルールでは6目半、中国ルールでは7目半のコミが一般的です。

コミの導入以前は、先手有利が顕著であったため、互先は先手側が圧倒的に有利なルールでした。コミの導入によって、より公平な対局が可能となり、囲碁の奥深さが増したと言えるでしょう。

囲碁の手合割

囲碁の手合割とは、対局者同士の棋力差に応じて、対局の条件を調整する制度です。互先の他に、定先、置き碁などがあります。手合割を設けることで、棋力に差がある者同士でも、対局を楽しむことができます。

定先: 常に同じ側が先手を持つ手合割です。棋力に差がある場合に、強い方が常に先手を持つことで、対局のバランスを取ります。
置き碁: あらかじめ黒が碁盤上に石を置いてから対局を開始する手合割です。棋力差が大きい場合に使われ、黒の置く石の数によって、ハンデの大きさを調整します。

互先は、囲碁の基本となる手合割であり、多くのプロ棋士やアマチュア棋士が採用しています。互先で対局することで、囲碁の奥深さや面白さをより深く理解することができるでしょう。

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