囲碁の段級位制

囲碁の段級位制について

囲碁の段級位制は、囲碁の技量を測るための等級制度です。級位と段位があり、級位は数字が大きいほど初心者、段位は数字が大きいほど上級者となります。

段級位の仕組み

級位: 数字の大きい方から小さい方へと昇級します。例えば、30級から始まり、1級を目指します。
段位: 数字の小さい方から大きい方へと昇段します。初段から始まり、九段が最高位です。
プロ棋士: 現在のプロ棋士は級位を持たず、段位のみで評価されます。段位は漢数字で表記されます（例: 六段）。
アマチュア: アマチュアは級位と段位の両方を使用します。級位はアラビア数字で表記されます（例: 5級）。
英語表記: 英語では段位を「first degree black belt」のように意訳するか、「shodan」のようにそのまま表記します。略号として「2d」（二段）、「5k」（5級）のように表記されることもあります。

歴史

段級位制は、江戸時代に本因坊道策によって始められました。それ以前は、手合い割（ハンデキャップ）で強さを表していましたが、道策が名人（九段）などの段位を制定し、統一的な基準が設けられました。

江戸時代: 専門棋士とアマチュアの段位に区別はなく、初段になるのも非常に困難でした。
明治時代: 村瀬秀甫が級位制を創設し、囲碁人口の拡大を図りました。ただし、これは現在の制度とは異なるものでした。

プロ棋士の昇段

プロ棋士の昇段は、棋戦での成績や勝利数によって決まります。

昇段規定: 棋聖戦、名人戦などの対象棋戦で好成績を収める、または特定国際棋戦で優勝すると昇段できます。また、勝利数によっても昇段が可能です。
飛び段: リーグ入りなどの好成績により、複数段を一気に昇段することもあります。
九段: 通算750勝で九段に到達します。年間の勝利数によっては、38年ほどかかる場合があります。

昇段制度の変遷

日本棋院の創設以前は、手合割によって段位が決定されていましたが、創設後は三段差で1子のハンデに改められました。

入段: 棋士採用試験に合格すると、一律初段となります。この試験を「入段試験」、プロ入りを「入段」と呼びます。
大手合: 以前は大手合と呼ばれる対局で規定の点数を挙げると昇段できましたが、九段が参加しないなどの矛盾がありました。そのため、2003年に昇段制度が改定されました。
新昇段制度: 現在は、三大タイトル（棋聖・名人・本因坊）や世界選手権の優勝、または七大タイトルの複数回優勝などで九段に昇段できます。また、賞金ランキング上位者も昇段できます。
日本棋院と関西棋院: 両棋院で昇段制度はほぼ同じですが、一部に違いがあります。

アマチュアの段級位

アマチュアには、日本棋院や関西棋院が認定する段級位があります。

認定方法: 認定問題で好成績を収める、大会で一定以上の成績を収める、プロ棋士の推薦を受けるなどの方法があります。
段位認定料: 段位を認定してもらうためには、金額を支払う必要があります（例：初段で3万円程度）。
実力との乖離: 認定問題は実戦と異なるため、段級位が必ずしも実力を正確に表すとは限りません。
目安: アマチュアでは、段位が1つ下がるごとに置き石が1つ増えるのが目安とされています。
高段者: アマチュアでは、2～6段を有段者、7～8段を高段者とすることが多いです。高段者の中には、碁会所で指導する人もいます。

ネット碁における段級位

ネット碁サイトでも段級位が表示されますが、その基準はサイトによって異なります。段級位とは別にイロレーティングを計測しているサイトもあります。

アマチュアとプロの比較

四星目: プロと初心者の差を示す言葉です。プロに星目を置く人から数えて、4段階の差があることを意味します。
アマチュアの実力: アマチュア初段は、プロ初段に9子置いて勝てるレベル、アマ高段者はプロに5子置いて勝てるレベルといわれます。
プロへの道: アマチュアで実績を上げた人が試験碁でプロになるケースや、アマチュアの大会でプロを破る人もいます。
* 海外との比較: 近年では、日本と中国・韓国との差が大きく、アマチュアレベルでもその差が顕著になっています。

まとめ

囲碁の段級位制は、囲碁の実力を測るための重要な指標です。プロ棋士は段位によって評価され、アマチュアも段級位を活用して自身の棋力を測ることができます。段級位は必ずしも正確な実力を反映するものではありませんが、囲碁の世界において重要な役割を果たしています。

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