国会議事堂 (ブラジル)

ブラジル国会議事堂：ブラジリアの象徴

ブラジル国会議事堂（Palácio do Congresso Nacional）は、ブラジルの首都ブラジリアに所在する、国民会議の議事堂です。この印象的な建物は、ブラジルの政治の中枢を担い、その建築美は世界中から注目を集めています。

歴史

国会議事堂は、1950年代後半、ブラジルの新首都建設計画の一環として建設されました。設計を手掛けたのは、ブラジルの著名な建築家オスカー・ニーマイヤーです。彼は、政府の主要施設の大部分を設計しており、ブラジリアの都市景観形成に大きく貢献しました。ジュセリーノ・クビチェック大統領の在任中に完成させるという厳しい条件のもと、当時としては珍しかったプレキャストコンクリートを採用し、工期の短縮を図りました。これにより、現代的なデザインと効率的な建設が両立しました。

建築

議事堂は、3階建ての低層棟と28階建ての高層棟で構成されています。低層棟には、特徴的な凸型ドームを持つ上院議場と、凹型ドームを持つ下院議場が設けられています。上院のドームは放物線を基にした形状で、下院議場は自然光が差し込む明るい設計が特徴です。二院制の議事堂でありながら、それぞれの議場のデザインが異なるのは珍しいと言えます。高層棟は一見すると一つの建物に見えますが、構造的にはツインタワーとなっており、事務室が収容されています。この高層棟は、議事堂にランドマークとしての役割を持たせるため、縦のラインを強調したデザインが採用されています。

議事堂の東側には、ブラジリアの中心である三権広場が広がっています。西側には池と芝生広場があり、政治的なデモ活動が行われることもあります。広場から2階の玄関まで緩やかなスロープが伸びており、来訪者を迎え入れます。また、屋上へ続くスロープも存在しますが、セキュリティ上の理由から通常は閉鎖されています。オスカー・ニーマイヤーは屋上庭園を構想していましたが、セキュリティ上の問題から実現には至りませんでした。玄関前には広々としたテラスがあり、訪問者がくつろぐことができます。中に入ると、黒い大理石が敷かれた「ブラックホール」と呼ばれる空間があり、そこから両議場へと繋がっています。

見学情報

国会議事堂は、事前に予約をすることで見学が可能です。ブラジルの政治と建築に触れることができる貴重な機会となるでしょう。

脚注

関連項目

プラナルト宮殿
ブラジル連邦最高裁判所
アルボラーダ宮殿
ブラジリア大聖堂

外部リンク

もう一度検索