国分三蔵

国分三蔵の生涯

国分三蔵（こくぶの さんぞう）は、江戸時代に活躍した博徒であり、目明しとしての役割を果たした人物です。本名は矢崎三造で、甲州街道に沿った甲府盆地の国分村を中心に活動していました。特に、彼は西保中村の博徒・西保周太郎との抗争が知られており、一之宮村にある古屋左京の勢力を引き継いだと言われています。

幼少期と侠客としての成長

彼は国分村で生まれましたが、幼い頃に両親と別れ、その後は放浪の旅に出ることとなります。武州で上州川俣宿の博徒親分・熊五郎に拾われ、侠客としての修行を重ねました。この期間が彼のその後の人生に大きな影響を与えたことは間違いありません。

権力の拡大と対立

明治28年ごろには、彼が200人以上の子分を従え、当時の博徒たちと勢力を築いていたことが記録されています。特に、竹居安五郎と黒駒勝蔵などの博徒と抗争を繰り広げたことが知られています。1862年には、安五郎らを捕縛する命令を下し、彼自身の勢力を強化していくことになります。

三蔵は、博徒・清水次郎長の舎弟分・御殿伝蔵を配下に持ち、彼が敵対する母体である三井卯吉の子分としても知られています。1864年に彼の居宅が襲撃され焼失した際には、行方不明となり、一時は殺害されたとも言われました。しかし、その後の文献によって彼の活動は1867年頃まで確認されることとなりました。

働きと評価

家族や子分たちによる証言によると、三蔵は単なる博徒という枠にとどまらず、地域の目明し的存在としても認識されていました。特に彼の異名「仏の三蔵」は、地域社会でその性格や行動が評価されていたことを示しています。

年齢に関しては不明な点が多いものの、同時代に活躍した博徒たちとの関連が見られ、彼の存在がその後の博徒活動にも影響を与えたと言われています。特に、彼と同様の境遇にあった豪傑・高萩万次郎との関係においても、討論されることがあります。

新たな発見

長い間、資料が不足していた三蔵について、2013年に新たな史料が発見されました。これにより、彼が地域社会の紛争解決に関与していたことが明らかになり、1867年にも活動が確認されました。この発見は、三蔵が地域に根付いた博徒であったことを示しており、彼の存在が社会と密接に結びついていたことを再認識させます。

三蔵の墓碑は、明治15年に元子分や親族により建立されたもので、「明治2年4月21日没」と刻まれています。このことは、彼が地域の人々に受け入れられ、尊敬されていた侠客であったことを示しており、「仏の三蔵」としての名は今も語り継がれています。三蔵の人生は、まさに時代を超えた侠客の象徴と言えるでしょう。

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