国司元武

国司元武

国司元武（くにし もとたけ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将であり、毛利氏の家臣として重きをなしました。五奉行の一人として、毛利氏の政務を支えた人物です。

生涯

天文7年（1538年）、毛利氏の家臣である国司元相の嫡男として誕生しました。永禄10年（1567年）頃、父・元相の隠居に伴い家督を相続し、五奉行としての活動を開始。毛利輝元の守役も務めました。

天正10年（1582年）には、毛利元就の娘婿であった上原元将が羽柴秀吉の調略を受け織田氏に降伏するという事件が発生。元武は、上原元将と親交のあった湯浅将宗にこの情報を伝えました。湯浅将宗は直ちに吉川元春と小早川隆景に上原元将の離反を報告し、自らの潔白を証明。吉川元春と小早川隆景は即座に楢崎元兼を派遣し、上原元将が立て籠る日幡城を攻略させました。

後継者である嫡男の助六が早世したため、天正15年（1587年）に弟である国司元蔵に家督を譲り隠居。しかし、豊臣秀吉による天下統一後の文禄・慶長の役においても朝鮮へ渡り、武功を挙げるなど、毛利氏の重臣としての役割を果たし続けました。

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦い後、毛利氏が防長へ移封されると、元蔵の知行地であった周防国佐波郡伊賀地村へ移り住みました。慶長15年（1610年）6月4日、萩にて73歳で死去。伊賀地村の西方寺に埋葬されましたが、西方寺は現存せず、墓地のみが残っています。

逸話

毛利輝元の守役を務めた元武は、輝元から非常に信頼されていました。輝元が晩年を迎えてからも親密な交流は続き、酒好きであった二人が顔を合わせて酒を酌み交わす様子が記録に残されています。

参考文献

岡部忠夫編著『萩藩諸家系譜』琵琶書房、1983年8月。
復刻 岡部忠夫編著『萩藩諸家系譜』（復刻版）マツノ書店、1999年1月。
防長新聞社山口支社編 編『近世防長諸家系図綜覧』三坂圭治監修、防長新聞社、1966年3月。
復刻 田村哲夫編修 編「寄組国司家」『近世防長諸家系図綜覧』三坂圭治監修（復刻版）、マツノ書店、1980年11月。
『萩藩閥閲録』巻15「国司隼人」　山口県文書館編
三卿伝編纂所編、渡辺世祐監修『毛利輝元卿伝』（マツノ書店、1982年）

外部リンク

* 伊賀地-国司氏墓碑 - 山口史跡かわらばん（防長風土注進会）

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