国忌

国忌について

国忌（こくき）は、東アジアの王朝において特定の皇帝や先代君主の命日に、政務を中断し、仏事を行うことが定められた日です。日本においても、国忌は重要な儀式として位置づけられており、朝廷ではこの日を厳粛に迎え、寺院で追善供養が行われます。

中国における国忌の慣習

中国では、皇帝や皇后の忌日に仏寺や道観で香を焚き、斎会を開く伝統が長い歴史を有しています。宋の時代の文献「唐会要」によれば、京城や地方の州府の寺院では国忌の日に香を焚くと定められていました。また、『資治通鑑』に記載されたように、国忌の日には全国的に香を焚く行事が行われていました。これらの風習は国の治世や文化に深く根ざし、今でも一部は存続しています。

日本の国忌の起源と発展

日本では、国忌の始まりは天武[[天皇]]の崩御（684年）にさかのぼります。天武[[天皇]]の皇后である持統天皇が、彼の命日を翌年の9月9日として国忌に指定しました。この習慣はその後、歴代の天皇やその発母、皇位に就かなかった実父の忌日も国忌に加えられることになります。特に、桓武天皇の時代には国忌の数が一時16に達しましたが、延暦10年には中国の七廟の制に倣い、7つに整理されました。

国忌の日は、官庁や宮中でも特別な措置が取られ、音楽や芸能の奉納は禁止されました。このため、違反した者には厳しい処罰が科されることもあったため、国忌は単なる儀式以上のものでした。国忌が執り行われる際、斎会は東寺または西寺で開かれ、参議や官人が参列しました。自ら参列しない者には罰が科され、国全体での奉公が求められたのです。

国忌の日の法要と現在の形式

時代が下るにつれ、国忌の目的は単なる仏事から、天皇の生前の功績を称えるための儀式へと変化していきました。中世に入ると、国忌は国家行事として開催されることが減少し、天皇や皇族の私的行事へと変わっていきました。この結果、国忌はもっぱら故人に対する追善法要の場として機能することが多くなりました。

最近では、国忌に関する具体的な法令が養老律令に見られ、その後延喜式においてより整備された事がわかります。現代においても、国忌は重要な意味を持ち、過去の君主に対する思いを新たにするための機会となっています。天皇の命日や重要な皇族の忌日には、特別な法要が行われ、その意義は民間にも広まっています。

まとめ

国忌は、古代からの重要な文化的慣習であり、先代の天皇に対して現代までも引き継がれている行事です。特に日本においては、国忌の日には仏事が行われ、天皇制と仏教の関係を一層深めています。歴史的な経緯や習慣を知ることで、国忌の持つ意味やその重要性を再認識することができるでしょう。

もう一度検索