国民の党 (大韓民国 2016-2018)

国民の党に関する詳細

国民の党（こくみんのとう）は、2016年に設立された韓国の政党である。2月2日に正式に創設され、その後の総選挙において一定の支持を受けたが、2018年には他の政党との統合により消滅した。この党は特に全羅道地域で強い支持基盤を有し、政治の中道層にも受け入れられた。

設立背景と初期の活動

党は、安哲秀らによって新政治民主連合を離党する形で設立され、初期は文在寅政権と対立した。また、2016年4月の第20代総選挙では38議席を獲得し、野党第2党となった。特に、共に民主党や自由韓国党に次ぎ、強い影響力を持っていた。

国民の党の支持者層は、主に30代から50代であり、全羅道地域の住民からの支持が厚かった。そのため、党内には安哲秀系と全羅道系の二大勢力が存在しており、2016年12月の院内代表選挙では全羅道選出の代表が選ばれ、全羅道系の権力が強まったことが議論された。

政策と理念

国民の党は、中道の立場を取ることを掲げており、保守的な要素も持ち合わせていた。政策の中では、セヌリ党（現・自由韓国党）と共に民主党の二大政党体制を批判し、「民生政治」を標榜して、安全な生活と温かい福祉の提供を目指すと宣言した。これにより、経済政策も公正成長を志向し、所得格差の解消に取り組む姿勢を見せていた。

さらに、国民との共感を大切にし、参加と協力に基づく政治を実現しようとしていた点も特色である。個人や集団の多様性を認め、性平等や社会的弱者の人権を尊重することも重視されていた。

歴史的経緯

国民の党は、設立当初から多くの注目を集め、各種選挙での活動を通じてその実績を築いていった。2015年末には離党を表明した安哲秀が党の創設を発表し、以降、他の政党との統合や内部動向が活発に続けられた。特に、2017年の大統領選挙においては安哲秀およびその政策が全国で議論を呼び起こし、彼は候補者となった。しかし、結果は3位に留まり、党の指導部は大統領選の敗北に伴い辞任することとなった。

2018年には、国民の党は「正しい政党」との統合を進め、正しい未来党を設立した。しかし、この統合に反対するグループが新党を結成する動きも見られ、更には党員権の一時停止が決定されるなど、党内の意見は二つに分かれていった。

その後

2020年には再び安哲秀が同名の新党を設立したが、元の国民の党とは組織上のつながりは薄い。国民の党は、韓国の政治史において一時的に大きな影響を及ぼした政党として記憶されている。特に、中道的アプローチや社会的構成の多様性を重視したことが特徴的であった。

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