国民進軍歌

国民進軍歌について

「国民進軍歌」は、1940年にリリースされた日本の軍歌であり、その背景には、当時の国民に士気を高める意図がありました。この曲は、ビクターレコードから発売されたもので、レコード番号はA-4123です。B面には「みんな兵士だ弾丸だ」という曲が収録されています。

制作の背景

1940年、菅野の提唱により、大阪毎日新聞と東京日日新聞は、全国民に対して士気の高揚を促す歌詞の公募を行いました。この公募は6月1日から20日にかけて行われ、結果として22,792通の応募が寄せられました。その中から、兵士として働く傍ら詩作を行っていた尼崎出身の下泰（本名：光元篤之介）の歌詞が選ばれ、7月1日に発表されました。

同様に、楽曲の作曲者も公募され、3926通の応募から岡山市の学校教員である松田洋平の楽曲が選出され、8月15日に発表されました。録音には、徳山璉、四家文子、柴田睦陸、中村淑子といった有名なアーティストが参加しており、B面の「みんな兵士だ弾丸だ」は楠木繁夫、柴田睦陸、由利あけみによって録音されました。

軍事保護院の役割

この歌は、軍事保護院および陸軍省、海軍省によって選定された曲です。1942年には、「少国民進軍歌」と題し、歌手霧島昇による別の曲も制作されています。また、海軍軍楽隊の斉藤丑松がトリオ編成の行進曲としてもこの「国民進軍歌」をアレンジしています。

高校野球との関わり

非常に興味深いことに、「国民進軍歌」は翌年の1941年に行われる選抜高等学校野球大会の入場行進曲としても採用され、学校行事やスポーツイベントなどにおける士気の高揚を図る目的で広く利用されました。高校野球の入場行進曲に選ばれたことで、多くの若者に対しても影響を与え、曲自体が公的な場で演奏される機会が増えました。

まとめ

「国民進軍歌」は、作詞と作曲の公募を通じて国民の意志を反映した歌であり、当時の歴史的背景の中で重要な役割を果たしました。戦時中における士気の向上を目的としたこの曲は、今後もその意味を持ち続けることでしょう。

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