国清寺 (岡山市)

国清寺：岡山藩池田氏の歴史と祈りが宿る寺院

岡山県岡山市中区に位置する国清寺は、臨済宗妙心寺派の寺院です。萬歳山を仰ぎ、釈迦牟尼仏を本尊として祀り、岡山藩池田氏初代藩主・池田輝政とその子・利隆の菩提寺として、深い歴史と由緒を誇ります。

創建から変遷の歴史

慶長14年（1609年）、池田利隆によって法源寺として創建されました。その後、元和元年（1615年）、二代藩主・池田忠継の死去を機に、弟で三代藩主となった忠雄によって兄の菩提寺として龍峰寺に改称されました。

寛永9年（1632年）、池田光政が鳥取藩から岡山藩へ転封すると、国清寺と改名され、光政は祖父である輝政と父である利隆を祀りました。この時、岡山藩の支藩である鴨方藩、生坂藩の墓所も国清寺に設けられました。一方、鳥取系池田氏の祖である忠継と忠雄の菩提寺は清泰院として分離され、鳥取藩の管理下に置かれました。清泰院は昭和39年（1964年）、国道2号の新橋架橋に伴い岡山市南部に移転しています。

昭和20年（1945年）6月29日、岡山空襲により、桃山時代の風格を備えた茅葺き本堂など、主要な建造物が焼失するという大きな被害を受けました。境内にあった鴨方藩、生坂藩主とその家族の墓所も被災し、太平洋戦争後、東側の墓所は東山墓地に移転、現在は西側の墓所のみが残されています。戦後20年間は焼け残った大愚堂を仮の本堂として使用していましたが、昭和40年（1965年）8月には新たな本堂が再建され、現在に至っています。

貴重な文化財

国清寺には、寛文5年（1665年）に藤原国次によって作られた梵鐘が残されています。この梵鐘は、平成2年（1990年）に岡山市の重要文化財に指定され、寺院の歴史を物語る貴重な遺品として大切に保管されています。

アクセス

国清寺へのアクセスは、岡山電気軌道東山本線小橋電停下車徒歩5分です。岡山市中心部からも比較的アクセスが容易なため、多くの参拝客が訪れています。

まとめ

国清寺は、単なる寺院としてだけでなく、岡山藩池田氏の歴史と文化を深く理解するための重要な場所です。空襲からの復興、墓所の移転など、歴史の変遷を肌で感じることができる貴重な寺院として、これからも多くの人々に歴史と信仰の場を提供し続けるでしょう。境内には、歴史を物語る数々の史跡や遺構が残されており、静寂の中で歴史に思いを馳せることができます。岡山を訪れた際には、ぜひ国清寺に足を運んで、その歴史と文化に触れてみてください。

もう一度検索