国画玉成会

国画玉成会（こくがぎょくせいかい）

国画玉成会は、明治時代に設立された日本の美術団体で、特に新派画家たちによって形成されました。この団体は、旧派への抵抗を目指し、古代の画法を復興しつつ、現代の絵画の発展を推進し、そして世界的な芸術趣味との調和を図ることを目的としていました。

設立の背景

明治40年（1907年）8月、旧派寄りの画家たちが「正派同志会」を結成したことを受けて、新たに設立されたのが国画玉成会です。この団体は「玉成会趣旨」という理念を掲げており、古い技法の再評価と新しい絵画の流れの両方を重視していました。設立からわずか一か月後には、岡倉天心が会長に選出され、「国画玉成会」と改名されました。

この団体の設立にあたり、安田靫彦をはじめ、今村紫紅、梶田半古、山内多門、信近春城、吉川霊華、高橋広湖、石井林響、菱田春草、島田墨仙、鏑木清方など、多くの著名な画家たちが参加しました。彼らは新派の理念に共鳴し、異なるアプローチを信じて活動を始めました。

文展との関係

国画玉成会が創設されてから一年後の明治41年（1908年）10月、第二回文展が開催されましたが、その際、審査員の選考が旧派に偏っていることが問題視され、新派の画家たちは文展への出品を見合わせることを決定しました。さらに、彼らは日本彫刻会と協力して独自の展覧会を開催しました。この動きは、新派画家たちが権威に対抗し、独自の芸術的表現を追及する姿勢を示していました。

また、設立当初参加していた尾竹竹坡や尾竹国観の兄弟は、後に国画玉成会から脱退しましたが、それでも団体は多くの新しいアイデアと芸術的探求を持ち続けました。

最後の展覧会

明治42年（1909年）10月には第三回文展が実施され、国画玉成会の画家たちは再び出品しました。その後、同月には展覧会を行いましたが、これが国画玉成会としての活動の最終回となりました。新派における彼らの試みは、当時の日本美術界に刺激を与え、多様な表現方法を模索させる重要な契機となったといえます。

結論

国画玉成会は、明治期の日本美術において新しい流れを作ろうとした芸術家たちの集まりでした。伝統に根ざしつつも新しい表現を追求する姿勢は、後の世代のアーティストたちに多大な影響を与えました。その活動は、日本の美術文化の多様性を育む一助となったのです。

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