国立台湾博物館

国立台湾博物館は、台湾で最も古い歴史を持つ博物館であり、その起源は日本統治時代の1908年にまで遡ります。

歴史

この博物館は、当初「児玉総督後藤民政長官記念館」として、当時の台湾総督であった児玉源太郎と民政長官の後藤新平を記念するために建設されました。場所は現在の地に選ばれ、1909年には「台湾総督府博物館」と名称を改めました。現在の博物館の建物は、野村一郎の設計によって1915年に完成し、初代館長には川上瀧彌が就任しました。建物は、ギリシャ建築を思わせる列柱とドームが特徴で、内装にはイタリア産の大理石が贅沢に使用されています。また、天井のステンドグラスには、児玉家の家紋である軍配団扇と後藤家の家紋である藤を組み合わせたデザインが施され、当時の権威と美意識を伝えています。

1949年、台湾が中華民国に接収された後、「台湾省立博物館」と改称されました。その後、2度の改修を経て、1999年に現在の「国立台湾博物館」という名称になりました。1998年には、新古典主義建築の本館が台湾の国定史跡に指定され、その歴史的価値が認められました。さらに、2010年には別館として、近隣の市定古蹟であった旧台湾土地銀行旧総行ビル（元日本勧業銀行台北支店）を修復し、「土銀展示館」として開館しました。2013年には、旧台湾総督府専売局台北南門工場を修復した「南門園区」が、そして2020年には、国定古蹟である旧台湾総督府鉄道部庁舎とその附属施設を「鉄道部園区」として公開しています。

展示

博物館の常設展示は、台湾の歴史と自然をテーマに構成されており、大きく分けて「歴史と諸民族」「地質史と鉱物」「生物の多様性」「台湾の生物」「台湾の先住民」のセクションに分かれています。これらの展示を通じて、台湾の多岐にわたる歴史、自然環境、そして文化を深く理解することができます。また、展示物の中には、ケナガマンモスの標本もあり、古生物学的な観点からも見どころの一つです。

アクセス

国立台湾博物館は、台北の中心部に位置しており、公共交通機関でのアクセスが非常に便利です。台湾鉄路管理局縦貫線の台北駅から徒歩約8分、台北捷運淡水信義線の台大医院駅からは4番出口から徒歩約5分で到着します。そのため、観光客にとっても非常に訪れやすい場所にあります。

外部リンク

国立台湾博物館（中国語）
国立台湾博物館（英語）
国立台湾博物館（日本語）

国立台湾博物館は、その美しい建築、豊富な展示内容、そして台湾の歴史と文化を伝える重要な役割を担う博物館として、多くの人々にとって訪れる価値のある場所と言えるでしょう。

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