花岡文雄

花岡 文雄（はなおか ふみお）

花岡文雄は、1946年生まれの日本の生物学者であり、東京都豊島区が彼の故郷です。大阪大学細胞生体工学センターの教授、さらには学習院大学の教授を経て、現在は学習院大学名誉教授という名誉ある地位にあります。彼の業績は、日本の科学界において非常に高く評価されています。

略歴

花岡氏は1968年に東京大学の薬学部製薬化学科を卒業後、1970年には同大学院で修士課程を修了しました。1973年には薬学博士の学位を取得し、同年4月からは東京大学薬学部に助手として勤務を開始しました。この間、1976年から1978年にかけてアメリカのウィスコンシン大学マッカードル癌研究所で博士研究員としての経験も積んでいます。

1980年には東京大学薬学部の助教授に就任し、その後1989年から1991年にかけて理化学研究所で主任研究員として放射線生物学の研究に従事しました。1995年から2002年まで大阪大学の細胞生体工学センターで教授を務め、さらにその後2002年から2007年まで大阪大学大学院生命機能研究科の教授も兼任しました。

学習院大学では、2007年から2009年にかけて化学科の教授を務め、その後新設された生命科学科に移り2016年まで教授としての職を全うしました。また、2018年12月から2022年11月まで国立遺伝学研究所の所長としての責務を果たしました。

受賞歴

花岡氏は日本薬学会奨励賞や内藤記念科学振興賞、日本薬学会賞を受賞しており、その功績は国内外で広く認知されています。特に2011年には科学技術分野で文部科学大臣表彰の科学技術賞を受賞し、2012年春には紫綬褒章、2019年春には瑞宝中綬章を受けるなど、彼の研究と貢献に対する評価は非常に高いものとなっています。

主な研究業績

花岡文雄の研究テーマは、特にDNAポリメラーゼに関するものであり、マウスのDNAポリメラーゼαの温度感受性変異株の分離とその変異部位の同定を行ってきました。また、DNAポリメラーゼαの4つのサブユニット遺伝子のクローニングを通じて、それぞれの生理的機能の解明にも貢献しています。さらに、色素性乾皮症C群の責任遺伝子のクローニングや、XPCタンパク質複合体のサブユニット構成の同定も重要な業績といえます。

彼はまた、ゲノム全体のヌクレオチド除去修復における損傷認識機構の解明や、新規DNAポリメラーゼη（Polη）の発見とその生理的機能の解明にも取り組んでおり、これらの研究は細胞生物学の発展に大いに寄与しています。

所属学会

花岡氏は日本薬学会や日本癌学会、日本分子生物学会など、数多くの専門学会に所属しており、国内外の研究コミュニティでの活躍が見られます。さらに、米国生化学・分子生物学会や米国微生物学会にも所属し、国際的な交流や共同研究にも積極的に取り組んでいます。

今後も彼の研究が新たな発見へと繋がり、生命科学のさらなる発展に寄与することが期待されます。

もう一度検索