国見峠 (宮城県・福島県)

宮城県白石市に位置する国見峠は、福島県伊達郡国見町との県境にほど近い場所にあります。標高195mのこの峠は、別名越河峠とも呼ばれ、阿武隈川水系の分水嶺となっています。

歴史

国見峠は、古くから交通の要所として重要な役割を果たしてきました。奈良時代には、坂上田村麻呂が蝦夷征討の際にこの地に下紐の関を設けたと伝えられています。江戸時代には、奥州街道が整備され、峠には仙台藩の越河番所が置かれました。峠の南と北には、それぞれ貝田宿と越河宿が設けられ、旅人の往来で賑わいました。

国見という地名は、この峠の名前に由来しています。

交通の難所

現代においても、国見峠は東北地方の主要な交通路が集中する地点です。国道4号、東北本線、東北自動車道が峠を通過しており、東北新幹線は峠の西側を蔵王トンネルで抜けています。

しかし、東北本線においては、藤田 - 白石間が急勾配の難所として知られています。単線時代には、この峠を迂回するために丸森線（現在の阿武隈急行線）が建設されたほどです。現在でも、この区間は制限速度が低く抑えられており、荒天時には強風による運転見合わせが頻発するボトルネックとなっています。

国道4号においても、福島側からの上り坂は登坂車線が長距離に渡って整備されています。麓には、チェーン着脱場を兼ねた駐車場が設けられていますが、2014年2月の記録的な豪雪の際には、多数の車両が数キロに渡って立ち往生し、自衛隊の災害派遣が要請される事態となりました。

周辺情報

国見峠の周辺には、歴史的な史跡や観光スポットが点在しています。

厚樫山
阿津賀志山防塁
貝田駅
国見サービスエリア

また、阿津賀志山の戦いの舞台となった場所でもあります。

国見峠は、歴史と自然が織りなす魅力的な場所であり、東北地方を旅する際にはぜひ訪れたいスポットの一つです。

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