国道459号

国道459号：日本海と太平洋を繋ぐ、挑戦的な道のり

国道459号は、新潟県新潟市中央区を起点とし、福島県双葉郡浪江町に至る一般[[国道]]です。400番台国道の中で唯一、日本海沿岸部と太平洋沿岸部を結ぶ重要な路線ですが、その道のりは決して平坦ではありません。

険しい山道と未整備区間

起点から新潟県東蒲原郡阿賀町津川までは国道49号と重複区間となります。津川を過ぎると、国道459号単独区間となり、阿賀野川に沿って北上、福島県境を越えて会津地方へと続きます。しかし、この区間の大部分は、道幅が狭く、カーブや崖、急勾配の坂道、素掘りトンネルなどが点在する、非常に走りづらい道路です。特にJR磐越西線徳沢駅周辺は、狭路と急カーブが連続し、民家も近接しているため視界が悪く、安全運転には細心の注意が必要です。路線バスも運行しているため、時間帯によっては混雑が予想されます。

こうした未整備区間が多いためか、ドライバーの間では「シゴク（至極、または“すごく”の転訛）きつい国道」という、揶揄とも皮肉とも取れる呼び名で知られています。阿賀町角神地区以北では、トンネルや橋梁に和月の名前が付けられているのも特徴的です。

東日本大震災と原発事故の影響

2011年の東日本大震災と福島第一原子力発電所事故は、国道459号にも大きな影響を与えました。浪江町が計画的避難区域に指定された後、2013年には浪江町羽附から室原までの区間が帰還困難区域となり、通行止めとなりました。その後、段階的に通行止めが解除されましたが、現在も帰還困難区域内は自動車のみの通行が許可され、歩行者、自転車、二輪車の通行は禁止されています。

バイパス整備の取り組み

危険個所の多い国道459号では、安全対策としてバイパス整備が進められています。新潟県内では、横雲バイパス、阿賀野バイパス、揚川改良などが、福島県内では宮古バイパス、見頃バイパス、西新殿工区などが整備されています。これらのバイパス建設により、狭隘区間や急カーブの解消、安全性向上に貢献しています。宮古バイパス区間には宮古トンネルが開通しており、以前は雪崩の危険もあった急カーブ区間を安全に迂回できるようになりました。

数多くの橋梁とトンネル

国道459号沿線には、多くの橋梁やトンネルが点在しています。特に阿賀町付近には、和月の名前が付けられた素掘りトンネルが複数存在します。これらのトンネルは、かつての技術と努力の証であり、地域の地理や歴史を物語っています。また、阿賀野川を渡る橋梁も多く、地域社会を繋ぐ重要な役割を担っています。福島県内でも、宮古トンネルや、地域住民の願いを込めた「ニコニコ橋」など、様々な橋梁が整備されています。

重複区間と交差道路

国道459号は、他の国道と多くの区間で重複しています。これは、地元の要望を反映した結果、既存の道路を繋ぎ合わせたルートとなっているためです。国道7号、国道8号、国道49号、国道4号など、主要な国道との重複区間が存在します。また、東北自動車道や常磐自動車道といった高速道路とも接続しています。

地理と沿線情報

国道459号は、新潟県と福島県を横断する路線であり、多様な地形と景観を有しています。沿線には、道の駅「裏磐梯」「つちゆ」「さくらの郷」などが整備され、地域活性化にも貢献しています。

まとめ

国道459号は、日本海と太平洋を結ぶ重要な路線でありながら、その道のりは険しく、未整備区間も多い路線です。しかし、沿線住民や関係機関の努力により、バイパス整備や安全対策が進められ、安全で快適な道路を目指した取り組みが続けられています。この路線は、日本の地方部の道路整備の課題と、人々の努力の歴史を物語っていると言えるでしょう。

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