国鉄シキ195形貨車

国鉄シキ195形貨車とは

国鉄シキ195形貨車は、1962年7月30日に日本車輌製造で1両が製造された70トン積みの大物貨車です。この貨車は独特な分割落し込み式の設計を特徴としており、その重要な役割を果たしてきました。1981年には低床式の梁を新たに製作し、55トン積みの低床式大物車としても運用可能となりました。初めは日本国有鉄道（国鉄）のものであり、1987年の国鉄分割民営化の際には、日本貨物鉄道（JR貨物）にその権利が引き継がれました。

構造と仕様

シキ195形は、特に落し込み式梁のデザインが注目されます。低床式梁が作られた後はこの貨車はシキ195Cという名称で呼ばれるようになり、その際の全長は20,020 mmでした。貨物を搭載する部分の幅は2,423 mm、前後方向の寸法はピン間が6,600 mmです。この貨車は分割落し込み式という特性を持ち、そのために貨物を搭載する中間梁は吊り掛け梁から取り外すことが可能です。構造としては、吊り掛け梁がガーダー構造になっており、中間梁はトラス構造で形成されています。

台車はベッテンドルフ式の2軸ボギー台車NC-3A形を使用し、これを2台組み合わせた構造で、荷受梁を支えるために4台車8軸で設計されています。加えて、空気ブレーキにはA制御弁を管理するASD180-254形が使用されており、積空の切り替えが可能です。この貨車の最高速度は、貨物を積載している状態で45 km/h、空車時は65 km/hに設定されています。

低床式梁の追加

1981年3月17日には、低床式の梁が新たに製作され、これを利用してシキ195形はシキ195Aへと改造されました。このときの全長は22,120 mmになり、低床部の長さは6,000 mm、レール面上の高さは660 mmとなりました。この改造により、より多様な貨物の運搬が可能となったのです。

所有と運用

国鉄シキ195形は当初、東京芝浦電気（今の東芝）の私有貨車として運用されていました。常備駅は新芝浦駅からスタートし、その後浅野駅を経て安善駅に移動することになりました。これは貨物駅の統廃合によるもので、実際の留置場所は変わりませんでした。2001年1月には、シキ195のA梁とC梁の両方が廃車となり、運用を終えました。

参考文献

経歴や技術的詳細については、以下のような文献が参考になります。

• - 鉄道公報
• - 吉岡心平『大物車のすべて 上』ネコ・パブリッシング（2007年）
• - 吉岡心平『大物車のすべて 中』ネコ・パブリッシング（2007年）
• - 吉岡心平『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑』ネコ・パブリッシング（2008年）
• - 貨車技術発達史編纂委員会編『日本の貨車 -技術発達史-』日本鉄道車輌工業会（2009年）

このように、国鉄シキ195形貨車は、特異な設計と多様な運用形態により、貨物輸送の新たな一ページを刻んでいます。

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