国鉄シキ40形貨車

国鉄シキ40形貨車の概要

国鉄シキ40形貨車は、1929年から1945年にかけて合計42両が製造された低床式の大物貨車です。この貨車は、特に30トンの積載能力を持ち、大型の貨物輸送に適しています。シキ40からシキ59、そしてシキ240からシキ261という番号が割り振られていますが、製造の経緯から番号には飛び飛びの部分があります。

番号と製造背景

特筆すべきはシキ260およびシキ261であり、これらは太平洋戦争の本土決戦に備えて、大砲の砲身などの輸送を目的とした私有貨車です。これらの車両は日本陸軍によって用意され、戦争の動向に対応するために設計されていました。

仕様と特徴

シキ40形貨車の全長は12,300mm、車体長は11,500mmというサイズで、従来の大物車とほぼ同じですが、台枠構造の工夫により低床部が4,800mmと長く設計されています。特に低床部のレール面上の高さは690mmと低く、荷物の出し入れが非常に容易で、荷主たちから評価されていました。これらの使い勝手の良さからシキ40形貨車は大量に増備されることになりました。

シキ40形貨車は、アーチバー式の2軸ボギー台車TR20形を2基搭載しており、また空気ブレーキにはKD180形が使用されています。これにより、貨物輸送の安全性と効率性が確保されていました。

製造会社と製造年代

この形の貨車は、国鉄の複数の工場で製造されています。シキ40からシキ43は国鉄苗穂工場で、シキ44からシキ49は国鉄浜松工場、シキ50からシキ59は田中車輌で、シキ240からシキ249が日本車輌製造、シキ250から259は川崎車輛、そしてシキ260・シキ261は日立製作所が担当しました。シキ49までは昭和初期に製造されたのに対し、シキ50以降は第二次世界大戦末期のものとなります。

戦後の扱い

シキ260は戦災により失われましたが、シキ261は終戦後に大蔵省の管理下に置かれ、その後1958年に国鉄に買い上げられ、他のシキ40形と同様に扱われました。最終的な運命として、1966年度から1982年度にかけて順次廃車されました。これは当時の貨物輸送ニーズの変化や、新しい形式の貨車の登場によるものでした。

参考文献

これらの情報は、吉岡心平の著作『大物車のすべて 上』や、貨車技術発達史編纂委員会の『日本の貨車 -技術発達史-』などを基にしています。これらの文献を通じて、国鉄シキ40形貨車の詳細やその背景を理解することが可能です。

関連項目

国鉄シキ40形貨車は、旧日本海軍所有の私有貨車である国鉄ワキ700形貨車とも関連があります。興味のある方は、ぜひそれらの情報にも目を通してみてください。

外部リンク

国立国会図書館デジタルコレクションには、『特種貨物取扱の実際』に関する資料があり、写真や形式図を確認することができます。

もう一度検索