国鉄タキ25000形貨車

国鉄タキ25000形貨車の詳細

国鉄タキ25000形貨車は、かつて日本国有鉄道（国鉄）およびその後の日本貨物鉄道（JR貨物）に在籍した私有貨車で、特にLPガス専用のタンク車として知られています。この貨車は1966年12月19日から1982年11月18日にかけて、日立製作所や三菱重工業、日本車輌製造、川崎車輛、富士重工業の5社によって310両が製造されました。そして、各車両の記号番号には特殊標記符号の「オ」が用いられ、「オタキ」として表示される形式となっています。この中で、タキ25200からタキ25210はタキ5200形のメタノール専用車の番号に割り当てられており、またタキ25211からタキ25249は最初から番号が与えられていない欠番扱いとなっています。

タキ25000形は、LPガス専用車として初めて25トンの積載が可能であり、日本の高圧ガスタンク車の中では初めて断熱材と波除板が取り除かれたモデルでもあります。この設計の変更により、車両の自重が軽減され、積載量の向上が実現しました。1979年10月からは化成品分類番号「燃(G)23」が標記され、専用種別「LPガス」と共に赤で表示されるようになりました。また、車両の塗装は高圧ガス取締法に基づき、LPガスボンベと同じねずみ色1号が採用されています。

荷役方式は上入れ・上出し式で、製造時から緊急遮断弁が設置されています。台車については二軸のボギー台車が採用されており、各車両によって搭載する台車が異なります。阪海道のオタキ25000からオタキ25047までは平軸受のTR207B、オタキ25048からオタキ25130まではコロ軸受のTR211B、オタキ25131以降はTR216Bが使われています。ブレーキの構成についても、各車両によって異なっており、初期のモデルでは片側側ブレーキを装備し、以降のモデルでは両側ブレーキや手ブレーキが追加されました。

運用に関しては、タキ25000形はやがてLPガス専用車の主要な形式となりました。しかし、国鉄の末期にあたる1984年からは淘汰が始まり、1987年の国鉄分割民営化の際には245両がJR貨物に引き継がれました。その後も輸送方式の変化などに伴い、廃車が続き、2007年10月には最後の1両（オタキ25356）が廃車され、これをもってタキ25000形はその役割を終えました。

年度別製造数

タキ25000形は、各年度ごとに製造された数が異なり、総製造数は310両です。

参考文献

• - 鉄道公報
• - 吉岡心平著『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑』（ネコ・パブリッシング、1997年6月号増刊）
• - 吉岡心平「プロフェッサー吉岡の私有貨車セミナー - タキ25000形」（Rail Magazine、ネコ・パブリッシング、2004年9月号 - 2005年10月号 No.252 - 265）
• - 『日本の貨車-技術発達史-』（貨車技術発達史編纂委員会著、社団法人 日本鉄道車輌工業会、2008年）

もう一度検索