国鉄チキ4700形貨車

国鉄チキ4700形貨車

国鉄チキ4700形貨車は、日本国有[[鉄道]]（国鉄）が1969年（昭和44年）から製造した35t積みの鋼板輸送用貨車です。この貨車は、既存のチキ1500形およびチキ4500形を改造して製作されました。物資別適合貨車（長物車）に分類され、主に鋼板の輸送に使用されました。この形式には、改造元の違いから4700番台と4750番台の2つのグループが存在し、それぞれ構造や全長、運用に違いが見られました。

概要

チキ4700形は、改造種車の違いにより、大きく分けて4700番台と4750番台の2種類があります。4700番台は全長が13,600mmであるのに対し、4750番台は14,700mmと、1メートル以上長くなっています。自重はいずれも17.1tで、換算両数は積車4.0、空車1.8です。これらの数値は、貨物列車の編成を組む上で重要な要素となります。

4700番台（チキ4700 - チキ4719）

4700番台は、1969年（昭和44年）から1970年（昭和45年）にかけて、国鉄若松工場で20両がチキ1500形から改造されました。台車はTR24を使用しています。このグループは、主に幅広鋼板の輸送に使用されました。

4750番台（チキ4750 - チキ4756）

4750番台は、1975年（昭和50年）に国鉄名古屋工場で7両がチキ4500形から改造されました。台車はTR41Cを使用しています。こちらのグループは、主に長尺鋼板（熱延鋼板）の輸送に使用されました。

運用の変遷

4700番台は、西八幡駅に常備され、鹿児島本線の上戸畑信号場から篠栗線の篠栗駅間で運用されました。しかし、1983年（昭和58年）までに全車が廃車となり、その短い生涯を終えました。

一方、4750番台は笠寺駅に常備され、新日本製鐵名古屋製鐵所のある名古屋臨海[[鉄道]]名古屋南港駅から北陸方面などへ運用されました。1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化に際しては、日本貨物[[鉄道]]（JR貨物）に7両全車が継承されました。しかし、2008年（平成20年）3月17日に全車一斉に廃車され、チキ4700形としての形式は消滅しました。

参考文献

ネコ・パブリッシング 『レイルマガジン』
吉岡 心平 「国鉄貨車教室 第47回」 - 2005年3月号 No.258 p.77 - 78
貨車技術発達史編纂委員会 編「日本の貨車―技術発達史―」2008年、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊

関連項目

国鉄の車両形式一覧

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