国鉄テキ200形貨車

国鉄テキ200形貨車について

国鉄テキ200形貨車（正式名：国鉄テキ200がたかしゃ）は、かつて日本国有鉄道（国鉄）及び1987年の国鉄分割民営化後には日本貨物鉄道（JR貨物）で運用されていた鉄製の有蓋車です。この貨車は1966年6月14日と1968年4月22日に、日本車輌製造支店によって合計20両（テキ200 - テキ219）が製造されました。

概要

テキ200形貨車は、31トン積みの二軸ボギー型鉄製有蓋車であり、主に秩父セメントが所有していた私有貨車です。この貨車は、前に製造されたテキ1形（2代）同様、特定の積荷と運搬区間に限定して運用されました。具体的には、主に袋詰めセメントを運搬するために設計され、荷室の寸法は長さ13,650 mm、高さ2,260 mm、床面積30.5 m²、容積62.9 m³となっています。

車体はテキ100形と非常に似た設計を持ちながらも、重要な違いがあります。テキ100形は側面が6分割であったのに対し、テキ200形では4分割の側面構造を採用しています。また、ダイホイール式の特殊形状パレットを16枚積載することが可能で、これにより効率的な荷物の積み下ろしが実現できます。

設計の特徴

テキ200形の妻板は平鋼板製で、上部には通気口が設けられています。この貨車の屋根はビード入り平鋼板製の山形で、屋根上に歩み板は装備されていないことが特徴です。大きな台枠は魚腹型で、台車間の中梁が太く設計されています。また、ブレーキについては1966年製の前期形には片側装備されていましたが、1968年製の後期形では両側装備されています。

自重は18.5トンで、テキ200形の台車はスリーピース式の一体鋳鋼台車TR41Cを使用し、最高速度は75 km/h、そして車軸の定格は12トンの短軸が使用されています。これらのスペックにより、テキ200形は効率的な運送を可能にしました。

運用の歴史

この貨車は、製造後高崎線の籠原駅（テキ200 - テキ205, テキ210 - テキ219）や秩父鉄道秩父本線の武州原谷駅（テキ206 - テキ209）に常備されており、1971年に全車両が武州原谷駅に移動しました。たとえば、袋詰めセメントは八高線の小宮駅、相模線の北茅ケ崎駅、上信電鉄上信線の南高崎駅など、特定の駅間で輸送されました。

1986年5月31日にテキ203が廃車された後、残りの19両はJR貨物に引き継がれましたが、1988年6月29日に全車両が廃止され、国鉄時代の幕を閉じました。これにより、歴史の中で重要な役割を果たしたテキ200形貨車は姿を消しました。

参考文献

• - 「国鉄貨車形式図集 I」1992年、鉄道史資料保存会
• - 貨車技術発達史編纂委員会 編「日本の貨車―技術発達史―」2008年、社団法人 日本鉄道車輌工業会

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