国鉄デハ33400系電車

デハ33400系の概要

デハ33400系は、日本の鉄道史における重要な木造直流電車の系列であり、その範囲は1930年代までさかのぼります。この系列は、日本国有鉄道の前身である鉄道院および鉄道省が在籍していた電車のグループを指し、特にデハ23400形、デハ23450形、クハ23600形、デハニ23850形、サロ33200形、デハ33400形、サハ33700形とその改造車両を含んでいます。

製造と設計

デハ33400系は、1919年度から1920年度にかけて製造され、全体的にデハ6340系を基にしたデザインが採用されています。主要な特徴は、中央扉を増設した三扉の形態とし、片運転台車の構造が採用された点です。従来の両側に運転台を持つ設計ではなく、運転が一方向からのみ行えるように設計されています。また、集電装置は新たにパンタグラフに変更されています。

車両は、主に中央線や山手線でも使用できる50PSの電動機を装備したデハ23400形、デハ23450形、クハ23600形、デハニ23850形などと、京浜線用の105PSの電動機を搭載したサロ33200形、デハ33400形、サハ33700形の二つのグループに分類されます。デザイン的には、大きな差異は見られません。屋根は二重屋根のモニター形を採用し、通風器はガーランド形に改良されています。

基本形式

デハ33400系は、いくつかの基本形式に分かれています。例えば、デハ23400形は中央線や山手線用に作られた制御電動車で、1919年度に製造された6両と1920年度に製造された18両の計24両が存在します。この系列の機器は日本国産で、窓配置は特徴的な1D1221D配置がされています。

デハ23450形は、前年に製造されたデハ23400形に対して1m車体が長いのが特徴の三等制御電動車です。クハ23600形は、この系列の中で制御付きの付随車となっており、運転台からの集電装置の変更に伴って生まれた存在です。

デハニ23850形は三等荷物合造制御電動車であり、1940年代以降の需要の変化に応じた形態が取られています。サロ33200形は、京浜線用の二等付随車で、全室二等車としての役割を果たしました。

デハ33400形は、京浜線のために105PS電動機を装備した制御電動車で、1920年度に4両が製造されました。サハ33700形は、幅広い運用が可能な三等付随車として、中央線や山手線でも使用されました。

歴史的影響

これらの車両は、1923年の関東大震災や、その後の運用状況の中で多くの損傷を受けました。その影響で、いくつかの車両が廃車となりました。1926年には、50PS電動車が使用停止となり、その後の改造や編成替えが多く行われました。

特にデハ33400形は、独立した運転室を持たないため制御車としては不適とされ、他の車両への改造や編入が行われました。

戦後の残存と解体

太平洋戦争後、残存した車両たちは多くが私鉄に払い下げられました。サハ23600形やサロ33200形など、多くの車両が鋼体化改造を経て新たな役割を果たすことになりました。最終的には、1950年代に入ってから残存していた車両が段階的に廃車となり、最終的には全てが国鉄から消滅しました。

総括

デハ33400系は、初期の日本の電車技術の発展段階を示す重要な存在であり、その設計や製造、運用の変遷を知る上で欠かせない存在です。これらの車両群は、今日の鉄道にも引き継がれる多くの技術やデザインの基盤となっています。

もう一度検索