国鉄ホキ5700形貨車

国鉄ホキ5700形貨車の詳細

国鉄ホキ5700形貨車は、1965年から1973年にかけて製造された、セメント専用の40トン積ホッパ車です。この貨車は、日本国有鉄道（国鉄）によって製造され、国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道（JR貨物）の車籍を有するようになりました。ホキ5700形は、セメント専用ホッパ車として初の40トン積みのモデルであり、輸送効率の向上を目指して開発されました。

製造と種類

ホキ5700形は、主に東洋工機と日本車輌製造によって8年間で648両が生産されました。製作は1965年から始まり、1973年までに完了しています。この形式は、当時のメーカー間での40t積セメント専用貨車の開発競争の結果として生まれました。ホキ5700形の中でも、各メーカーによって形態に違いがあります。

東洋工機製と日本車輌製造製

東洋工機製のホキ5700形は、ホキ3500形を基にした箱型車体で、軽量化の工夫が施されています。一方、日本車輌製造のモデルは、独自に開発されたホッパ体と台枠中梁が一体化した特異なホームベース形状を特徴としており、設計の違いが顕著です。荷役方式にはエアスライド式が採用され、台車はベッテンドルフ式の2軸ボギー台車を搭載しており、初期形と後期形で若干の違いがあります。

製造年度ごとの両数

ホキ5700形の製造状況については、年度ごとで見ると以下の通りです：

• - 1965年：8両
• - 1966年：32両
• - 1967年：80両
• - 1968年：111両
• - 1969年：99両
• - 1970年：121両
• - 1971年：66両
• - 1972年：69両
• - 1973年：40両

製造の最初期にあたる1965年は、東洋工機で製造された8両から始まり、1973年までに多様な製造会社や所有者が関与し、セメント業界のニーズに応じた改良が進められました。

派生形式

ホキ5700形から派生した形式として、ホキ7500形があります。ホキ7500形は、ホキ5700形と同じ車体構造を持ちながら、異なる荷役方式を有するため別の形式とされています。この形式は、1967年と1968年に計22両が製造され、スクリューコンベアを搭載しているのが特徴です。

現存在

1987年の国鉄分割民営化の際に、ホキ5700形の565両、ホキ7500形の19両がJR貨物に引き継がれました。しかし、その後のセメント輸送の減少に伴い、廃車が進行しました。2023年4月時点では、ホキ5700形は27両が現存していましたが、2006年には全車が運用を終えています。

運用区間と保存車

国鉄ホキ5700形貨車は主にセメント輸送に使用され、大手私鉄や中小私鉄に直通する規模で運用されていました。特に秩父セメントでは直通運転が行われ、数両は東武鉄道の車籍を有して運行されたこともありました。現在では、三岐鉄道の東藤原駅前にホキ25767が静態保存されています。

参考文献

• - 吉岡心平「プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑（復刻増補）」2008年、ネコ・パブリッシング刊
• - 『日本の貨車-技術発達史-』2008年、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊
• - 澤内一晃「私鉄セメント専用貨車一代記」鉄道ピクトリアル 2003年12月号臨時増刊

注目の国鉄ホキ5700形貨車は、日本の貨物鉄道史においてセメント輸送の重要な役割を果たした存在です。

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