国鉄ホキ7300形貨車

国鉄ホキ7300形貨車

国鉄ホキ7300形貨車は、日本国有鉄道（国鉄）に在籍していたホッパ車です。この車両は、セメント輸送専用として運用されていました。

概要

ホキ7300形は、元々三岐鉄道に所属していたホキ4000形を改造し、1971年1月12日に国鉄籍に編入されたものです。具体的には、三岐鉄道のホキ4001からホキ4005までの5両が、国鉄ホキ7300形ホキ7300からホキ7304となりました。これらの車両は、30トン積載の私有貨車として運用されました。

三岐鉄道時代のホキ4000形は、1957年9月に東洋電機製造・東洋工機で製造され、主に三岐鉄道線内での輸送に使用されていました。しかし、関西本線の八田駅にも乗り入れていたため、国鉄との連絡直通運転を行う必要がありました。国鉄籍への編入に際しては、ブレーキ装置を国鉄の標準規格に合わせるため、国鉄名古屋工場で改造が行われました。

国鉄籍への変更の背景には、運用上の理由がありました。当初、これらの車両の常備駅は三岐鉄道の管轄でしたが、豊橋鉄道渥美線の三河田原駅に変更する必要が生じました。しかし、三岐鉄道の車両のままでは、この変更が不可能であったため、国鉄籍への変更という措置が取られました。

車両の変遷

落成当初、ホキ7300形の所有者は小野田セメント（現在の太平洋セメント）のみで、常備駅は三河田原駅でした。しかし、1973年7月には常備駅が東藤原駅に変更されました。

1976年4月26日には、積込口の大型化改造工事が行われ、輸送能力の向上が図られました。その後、1985年5月8日に、全車（5両）の所有者が清水工業に変更され、常備駅も西濃鉄道市橋線の猿岩駅となりました。しかし、この変更から間もなく、ホキ7300からホキ7303までの4両は、同年7月8日に廃車となりました。最後まで残ったホキ7304も、1989年11月27日に廃車となり、これによりホキ7300形は形式消滅しました。

構造と性能

ホキ7300形の荷役方式は、上入れ式で、エアスライド式の下出し方式を採用しています。主な寸法は、全長11,100mm、全幅2,735mm、全高3,620mmです。台車中心間距離は7,000mm、実容積は25.0立方メートル、自重は18.0トンでした。換算両数は、積車時5.0、空車時1.8であり、台車にはベッテンドルフ式のTR41Cが採用されていました。

参考文献

鉄道公報
南野哲志・加納俊彦 『RM LIBRARY 62 三岐鉄道の車輌たち -開業からの50年-』 ネコ・パブリッシング 2004年 ISBN 4-7770-5068-8
『日本の貨車-技術発達史-』（貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年）
吉岡心平『RM LIBRARY 141 有蓋ホッパ車のすべて（下）』（ネコ・パブリッシング、2011年）ISBN 978-4-7770-5307-0

関連項目

* 国鉄の車両形式一覧

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