国鉄モハ1形電車

モハ1形電車の概要

モハ1形は、かつて日本国有鉄道（国鉄）およびその前身である鉄道省に所属していた直流用の電車であり、その形式番号は三等制御電動車に相当します。この形式は、1928年10月1日に施行された車両称号規程の改正によって新たに設定されました。モハ1形は、主に105PSの主電動機を搭載した木造電車として位置づけられ、関連する旧式の電車として、旧デハ6340形やデハ33500形を含む合計64両がラインナップされています。

モハ1形の設計と改造

この電車群は、規定変更時に改造を受けていたいくつかの車両について仮番号が付与され、一部には旧デハ33400形も含まれています。特に旧デハ6340形グループは、古い機器構成のために廃車後の譲渡は少なくなっており、譲渡された場合でも台枠や機器が再利用され、半鋼製の新たな車体として組み立て直されています。一方で、旧デハ33500形グループは、半数以上が南武鉄道や鶴見臨港鉄道、三信鉄道に譲渡されました。その後も、省線となった線区での戦後運用が続けられる形となります。また、戦前に私鉄に譲渡された車両の一部は、戦時中に鉄道省に復帰する結果となりました。

1935年には、福塩線用に6両が直流600Vに対応した改造を受け、両運転台化が実施されました。モハ1形の中で廃車となったのは、1953年6月1日に新しい車両称号規程が施行された際、書類上ではモハ2400形に改番されましたが、実際には番号の書き換えが行われないままに廃車され、モハ1形はその歴史に幕を下ろします。

保存とその後の歴史

平成に入ると、モハ1形の一部が重要な文化財としての価値が認識され、大井川鐡道大井川本線の千頭駅で保存されていたモハ1035が、三信鉄道の後継会社である東海旅客鉄道によって引き取られました。その後、この車両は復元作業を経て、愛知県名古屋市港区に新たに開館したリニア・鉄道館で静態保存されています。このように、モハ1形はその歴史の中で改造や譲渡を経ながらも、鉄道ファンを魅了し続ける存在となっています。

番号区分と背景

モハ1形の番号区分は次のように分けられます。

• - 1001 - 1025 : 旧デハ6340形（一部はデロハ6130形の再改造分）
• - 1026 - 1064 : 旧デハ33500形
• - 1065 - 1067 : 旧デハ6340形（改造のため入場中の仮番号）
• - 1068 : 旧デハ33400形（同様に仮番号）

本形式に関する詳細は、各種文献にも記載されており、特に以下の書籍が参考になります。

• - 沢柳健一・高砂雍郎による「決定版 旧型国電車両台帳」
• - 新出茂雄・弓削進の「国鉄電車発達史」
• - 寺田貞夫の「木製國電略史」など。

モハ1形の歴史は、国鉄電車の一部として、日本の鉄道技術の発展を物語る重要な章となっています。

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