国鉄1200形蒸気機関車

国鉄1200形蒸気機関車について

国鉄1200形蒸気機関車は、かつて日本国有鉄道の前身である鉄道院・鉄道省に属していたタンク式蒸気機関車です。外見や機構の特徴として、車軸配置は0-6-0、動輪直径は914mmで比較的小型の機関車です。製造は、イギリスのナスミス・ウィルソン社が最初のモデルを手がけた後、ダブス社や川崎造船所による同系車が生産され、後の形式にも影響を与えました。

概要と特徴

この機関車は、1914年版では動輪直径が940mmに変更されるなど、製造当初からの改良が加えられています。全長は7,747mm、全高は3,429mm、全幅は2,286mm、そして軌間は1,067mmです。特徴的なのは、弁装置が全車両に渡ってスチーブンソン式アメリカ型が採用されており、外見的には運転室の背面がフラットな1100系とは異なり、炭庫が張り出したデザインが施されています。

歴史

この1200形が形式として定められたのは1909年のことで、ナスミス・ウィルソン社で製造された9両がその初期モデルにあたります。これらは讃岐鉄道、七尾鉄道、総武鉄道に導入されました。国有化の影響を受け、讃岐鉄道からは4両、七尾鉄道から3両、総武鉄道から2両が国有化され、伝統的な形式番号に再編成されました。北海道鉄道でも1両が導入され、他の私鉄においても1200形と同様の形式が導入されては再編される歴史が展開されました。

主要諸元

1200形の技術的スペックを以下に示します：

• - 車軸配置: 0-6-0(C)
• - シリンダー（直径×行程）: 356mm×457mm
• - ボイラー圧力: 8.4kg/cm2
• - 煙管蒸発伝熱面積: 44.7m2
• - 機関車運転整備重量: 27.71t
• - 機関車動輪上重量: 27.71t

特に、シリンダ引張力は5,660kgとなっており、ブレーキ装置には手ブレーキや蒸気ブレーキが備わっています。車両全体の設計は、蒸気機関車としての基本的な性質を有しており、運行において必要な性能を満たしています。

国有化後の利用

1200形は国有化後、さまざまな私鉄に譲渡され、最終的には阿南鉄道、陸奥鉄道、横荘鉄道などに引き取られ、さらにその後も国有化されました。養老鉄道や新宮鉄道といった新たな路線にも関与し、1909年以降もその姿を見せ続けました。
特筆すべきは、南海鉄道への導入を始めとする新たな市場にも対応し、その後も長きにわたって運用され続けました。

保存状況

歴史的な価値を有する1200形は、静態保存されるなどしながら、鉄道ファンや一般の見学者にその姿を見せています。京都府与謝野町の加悦SL広場では、長野電鉄から加悦鉄道に入った製造番号894が静かに保存され、訪れる人々にその魅力を伝えています。

参考文献

• - 臼井茂信「国鉄蒸気機関車小史」
• - 臼井茂信「日本蒸気機関車形式図集成」
• - 金田茂裕「形式別 国鉄の蒸気機関車I」

など、さまざまな資料に基づき、国鉄1200形蒸気機関車の詳細や歴史についての理解が深まります。

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