国鉄1215形蒸気機関車

1215形蒸気機関車の概要

1215形は、タンク式蒸気機関車であり、かつて日本国有鉄道で運用されていた機関車です。この機関車は1922年にドイツのオーレンシュタイン・ウント・コッペル社によって製造され、最初は横荘鉄道に配備されました。機関車の車軸配置は0-6-0 (C) で、飽和式の2気筒単式サイド・ウェルタンク機関車として長年にわたり多くの事業者で使用されました。

歴史的背景

1937年に西線が国有化された際に鉄道省籍を取得し、その後数回にわたり譲渡を経て、最終的には東武鉄道に所属することになります。1215形は、タンク式の特性を活かし短距離輸送に特化した機関車であり、特に軽快な運転を実現していました。

製造当初、1215形は合計で14両が日本国内に供給され、各地での運行を支えました。製造番号による分類や構造の詳細から、タンクの設計についても多様性がありました。特に1922年に製造された4両と1923年以降の8両では、側水槽の形状や後部の設計が異なることが特徴です。

各事業者における運用

• - 横荘鉄道: 1215形の最初の所有者であり、国有化された後、番号を1215に改番されました。この機関車は1949年に廃車となりますが、東武鉄道での利用計画は実行されずに終わりました。
• - 伊賀鉄道: 1922年製の10264号機を所有し、シリンダの行程が50mm増やされましたが、基本的な設計は横荘鉄道のものと共通でした。この機関車は1927年に大井川鉄道に移籍し、1956年まで運用されました。
• - 大阪鉄道: 10301号機は、関西急行鉄道との合併を経て1943年に廃車となった機関車です。
• - 江若鉄道: 10302号機は後に筑前参宮鉄道に譲渡され、形態が大きく変わることになります。この機関車は1942年の統合後も長い間運用されましたが、1947年に廃車されました。
• - その他の事業者: 五日市鉄道、八幡製鉄所、北海炭礦鉄道など、多くの事業者がこの形式を使用しました。それぞれの機関車は、運行形態や用途によって仕様が異なり、廃車に至るまでの経過も様々でした。

機関車の技術的特徴

1215形の主要諸元は以下の通りです。

• - 全長: 8,353mm
• - 全高: 3,689mm
• - 全幅: 2,364mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 車軸配置: 0-6-0 (C)
• - 動輪直径: 900mm
• - シリンダー: 370mm×450mm
• - 機関車運転整備重量: 28.65t
• - ボイラー圧力: 12.4kg/cm2

これらの仕様からもわかるように、1215形は当時の鉄道技術として高い性能を持ち、多様な路線で活躍しました。特に、シリンダ引張力は7,210kgとされ、十分な牽引力を発揮しました。

結論

1215形蒸気機関車は、日本の鉄道史において重要な役割を果たした機関車であり、その設計や運用は鉄道の発展に大いに寄与しました。今日でも日本の鉄道遺産として多くの人々に親しまれています。機関車はその運用が終了した後も、鉄道ファンや歴史愛好者たちによって語り継がれており、かつての姿を想像させる重要な存在です。

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