国鉄3200形蒸気機関車

3200形蒸気機関車の概要

3200形は、かつて日本国有鉄道およびその前身である鉄道院・鉄道省に在籍したタンク式蒸気機関車です。この機関車は、1903年に日本鉄道がイギリスのベイヤー・ピーコック社から輸入したもので、全24両の製造が行われました。製造番号は4497から4520までの番号が振られています。

特徴と設計

3200形の車軸配置は2-6-2（1C1）で、単式2気筒の飽和式タンク機関車です。設計はイギリス製で、我が国の鉄道に導入された背景には、日本鉄道が燃費の良さからベイヤー・ピーコック社を選んだ経緯があります。当初、12両ずつの発注を予定していたものの、ニールソン社の条件により24両をベイヤー・ピーコック社に発注したのです。

この機関車の導入は、ドイツ製のH3/5形やHS3/5形と同じ経緯によるもので、3170形と性能に大きな差はありませんが、歩み板が直線形状である点が異なります。日本における技術的発展を象徴する存在でもあります。

国有化と運用

1909年に国有化されると、3200形は鉄道院により3200形（番号3200 - 3223）に改番されました。初期の配置は宇都宮、福島、盛岡、尻内とされ、主に東北本線で運用されました。国有化後も仙台鉄道局の管内で多く使われることになりましたが、1929年頃にはすべてが入換用に転用されました。

また、1933年には一部の機関車が東京鉄道局管内の横川に移動されており、最終的には1934年に全車が廃車となりました。しかし、その中の3211と3219は建設工事用に保管転換され、3213は土崎工場での入換用に使われました。これらは太平洋戦争後の1948年から1950年頃まで運用されました。

主要諸元

3200形の技術仕様は、以下の通りです。

• - 全長: 11,201mm
• - 全高: 3,807mm
• - 全幅: 2,642mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 車軸配置: 2-6-2(1C1)
• - 動輪直径: 1,245mm
• - 弁装置: ワルシャート式
• - シリンダー（直径×行程）: 406mm×610mm
• - ボイラー圧力: 12.7kg/cm2
• - 火格子面積: 1.89m2
• - 全伝熱面積: 88.0m2
• - 煙管蒸発伝熱面積: 81.0m2
• - 火室蒸発伝熱面積: 7.0m2
• - ボイラー水容量: 2.8m3
• - 小煙管（直径×長サ×数）: 48mm×3,353mm×162本
• - 機関車運転整備重量: 56.87t
• - 機関車空車重量: 44.31t
• - 機関車動輪上重量（運転整備時）: 39.41t
• - 機関車動輪軸重（第1動輪上）: 13.26t
• - 水タンク容量: 7.3m3
• - 燃料積載量: 1.78t

機関車性能

3200形のシリンダ引張力は8,720kgで、ブレーキ装置には手ブレーキと真空ブレーキが装備されています。

結論

3200形蒸気機関車は、日本の鉄道史において重要な役割を果たし、その設計と運用の経緯からも多くの技術革新の証が見受けられます。時代の変化に伴い廃車となったものの、その性能と存在は今日の鉄道技術に多大な影響を与えました。

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