国鉄7050形蒸気機関車

7050形及び7080形蒸気機関車の概要

7050形と7080形は、日本の国有鉄道の前身である鉄道院に属していた蒸気機関車で、その製造は1902年から1903年にかけて実施されました。これらはイギリスのダブス及びノース・ブリティッシュ・ロコモティブ、そしてベイヤー・ピーコックから輸入されたもので、日本での鉄道運行に大きな影響を与えました。特に7050形は特異な0-6-2という車軸配置が特徴であり、旅客列車を牽引するために設計されています。

製造背景と概要

7050形は、合計12両がダブスとベイヤー・ピーコックから輸入され、さらにノース・ブリティッシュ・ロコモティブから6両が追加されました。これは、当時の日本鉄道が急勾配区間を走行するために必要な機関車を求めていたためであり、車両ごとの製造番号が付与されました。7050形は走行性能の高さを求めて設計され、火室の形状や運行システムにも工夫が施されました。

本形式は、燃料として低熱量の常磐炭田産石炭を使用するため、火室の火格子面積を広くする設計が採用され、ベルペヤ式火室が導入されました。さらに、運行中の安定性を高めるために、従輪が設けられ、動輪はフランジ付きのデザインとなっています。これにより、雪の降る地域での操作性が向上しました。また、先輪がないことで摩耗の問題が指摘されましたが、動輪の相互交換ができるような構造も工夫されています。

使用実績と状況

7050形の運行は、初期には東北本線において旅客列車と貨物列車の牽引を担っていましたが、使用成績は芳しくありませんでした。特に脱線事故が多く、乗務員の評判はあまり良くなかったようです。結果的に、7050形は1928年および1929年に廃車され、7080形も1922年に解体されることとなりました。運行終了後、保存されることなく解体されたことは、当時の鉄道機関車の運命を象徴しています。

主要諸元

7050形と7080形はそれぞれ異なる諸元を持っておりますが、どちらも同様の0-6-2（C1）車軸配置が特徴です。

主要データ（7050形）

• - 全長: 15,532mm
• - 全高: 3,810mm
• - 全幅: 2,515mm
• - 動輪直径: 1,397mm
• - シリンダー: 432mm×610mm
• - ボイラー圧力: 11.3kg/m²

主要データ（7080形）

• - 全長: 15,615mm
• - 全高: 3,810mm
• - 全幅: 2,705mm
• - 動輪直径: 1,397mm
• - シリンダー: 432mm×610mm
• - ボイラー圧力: 11.2kg/m²

まとめ

7050形と7080形は、日本の鉄道史における重要な蒸気機関車の一部であり、それぞれの特徴や使用条件によって日本の鉄道運行に多大な影響を与えました。特にこの形式の設計と使用実績は、今後の日本の蒸気機関車の発展に向けた貴重な教訓を提供しています。

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