国鉄7300形蒸気機関車

7300形蒸気機関車は、かつて鉄道院、鉄道省に在籍したテンダ式蒸気機関車です。元は北海道官設鉄道がアメリカのボールドウィン・ロコモティブ・ワークスから1903年に輸入したもので、車軸配置2-6-0(1C)の飽和式機関車でした。

概要

7300形は、北海道官設鉄道が1903年（明治36年）に4両輸入したのが始まりです。製造番号は21610から21613で、メーカーにおける種別呼称は8-24Dでした。1905年に北海道官設鉄道が国有鉄道に編入された際、国有鉄道籍を得ました。北海道官設鉄道時代はB5形（23 - 26）と称していましたが、鉄道作業局編入後はEe形と称し、1909年の鉄道院の車両形式称号規程制定に伴い、7300形（7300 - 7303）に改番されました。

形態は、典型的なアメリカ古典機スタイルです。ボイラーはワゴントップ式で、第3缶胴で急に太くなっているのが特徴です。第2缶胴上に砂箱、第4缶胴上に蒸気ドームが設置されており、ドームが運転室に密着している点も特徴的です。炭水車の台車は3軸片ボギー式で、ボギー台車は釣合梁式でした。

官設鉄道編入後は旭川、深川に移動し、晩年は入換用として使用され、全車が室蘭で使用されていました。1933年（昭和8年）11月に全車が廃車、解体されました。

主要諸元

全長: 14,141mm
全高: 3,544mm
最大幅: 2,451mm
軌間: 1,067mm
車軸配置: 2-6-0(1C)
動輪直径: 1,067mm
弁装置: スチーブンソン式アメリカ形
シリンダー（直径×行程）: 381mm×457mm
ボイラー圧力: 10.9kg/cm2
火格子面積: 1.25m2
全伝熱面積: 92.7m2
煙管蒸発伝熱面積: 85.4m2
火室蒸発伝熱面積: 7.3m2
ボイラー水容量: 3.2m3
小煙管（直径×長さ×数）: 45mm×2,997mm×204本
機関車運転整備重量: 35.05t
機関車空車重量: 32.12t
機関車動輪上重量（運転整備時）: 31.29t
機関車動輪軸重（第2動輪上）: 12.34t
炭水車運転整備重量: 25.10t
炭水車空車重量: 12.46t
水タンク容量: 9.1m3
燃料積載量: 2.94t
シリンダ引張力: 5,760kg
ブレーキ装置: 手ブレーキ、空気ブレーキ

参考文献

臼井茂信「日本蒸気機関車形式図集成」1969年、誠文堂新光社刊
臼井茂信「機関車の系譜図 1」1972年、交友社刊
金田茂裕「形式別 国鉄の蒸気機関車 III」1985年、機関車史研究会刊
* 沖田祐作「機関車表 国鉄編I」レイルマガジン 2008年9月号付録

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