国鉄7900形蒸気機関車

7900形蒸気機関車

7900形は、かつて日本国内の鉄道で運行されていたテンダ式蒸気機関車であり、かつて日本国有鉄道の前身である鉄道作業局、鉄道院、鉄道省に所属していました。この機関車は1896年に官設鉄道の神戸工場で製造され、リチャード・フランシス・トレビシックの指導の下、特に勾配線用に設計されました。

概要と歴史

7900形は、2-6-0の車軸配置を持つ蒸気機関車で、動輪の粘着重量を増やすためにテンダ形式でありながら側水槽を備えています。製造当初の形式はAK形で、番号は180から183が計画されていましたが、陸軍が所有していたナスミス・ウィルソン製Cタンク機の引き取りに伴い、180が与えられたため、最終的には181から184という番号が付けられました。

その後、1909年に制定された鉄道院の車両形式称号規程に基づき、7900形（7900 - 7903）に改番されました。この機関車は改良された設計を持ち、基本設計は後の7600形（W形）に類似しています。ただし、ボイラーの火室はスタンダードなストレートトップ型であり、弁装置はジョイ式基本型が採用されています。

特徴

7900形の煙室前板は、トレビシック流の独特な形状を持ち、動輪の釣合錘は特徴的なデザインとなっています。具体的には、12本のスポークの中の6本にまたがる形になっており、それぞれのスポーク間は同心円状に幅が狭くなっています。さらに、炭水車は2軸固定式であるため、走行性能が高い設計となっています。

この機関車は1896年12月から東海道線の大津・京都間の勾配区間で運行されましたが、私鉄の国有化の影響を受け、1909年には山陽線の広島・三田尻間で貨物列車用としても使用されるようになりました。最終的には、7901号と7903号が1922年12月に、7900号と7902号が1923年1月に廃車され、民間に売却されましたが、保存されたものはありません。

主要諸元

以下に7900形の主要な仕様を示します：

• - 全長: 14,319mm
• - 全高: 3,658mm
• - 全幅: 2,305mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 車軸配置: 2-6-0(1C)
• - 動輪直径: 1,245mm
• - 弁装置: ジョイ式基本型
• - シリンダー（直径×行程）: 432mm×559mm
• - ボイラー圧力: 10.2kg/m²
• - 火格子面積: 1.39m²
• - 全伝熱面積: 90.2m²
• - 煙管蒸発伝熱面積: 83.3m²
• - 火室蒸発伝熱面積: 6.9m²
• - ボイラー水容量: 3.1m³
• - 小煙管（直径×長サ×数）: 44.5mm×3,640mm×179本
• - 機関車運転整備重量: 41.54t
• - 機関車空車重量: 35.97t
• - 機関車動輪上重量（運転整備時）: 36.54t
• - 機関車動輪軸重（第2動輪上）: 12.98t
• - 炭水車重量（運転整備）: 18.39t
• - 炭水車重量（空車）: 10.05t
• - 水タンク容量: 8.26m³
• - 燃料積載量: 1.52t
• - シリンダ引張力（0.85P）: 7,260kg
• - ブレーキ装置: 手ブレーキ、真空ブレーキ

このように7900形は、技術的に先進的な設計が施された蒸気機関車であり、当時の日本の鉄道技術を反映する重要な存在でした。

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