国鉄7950形蒸気機関車

7950形蒸気機関車の概要

7950形は、日本国有鉄道の前身である鉄道作業局、鉄道院、後の鉄道省が運用したテンダ式蒸気機関車です。この機関車は1897年にアメリカのロジャーズ・ロコモティブ・ワークスで製造されたもので、当初は形式ALで18両が製造されました。車軸配置は2-6-0（1C）型で、単式の2気筒設計の飽和式機関車です。設計当初の形式変更を経て、1909年には鉄道院の車両形式称号規程に基づき、7950形として番号7950から7967に改番されました。

形状と構造

7950形の外観は、アメリカ製の古典的な蒸気機関車の特徴を表しています。ボイラーはストレートトップ式であり、ボイラーの上部には砂箱、蒸気ドーム、安全弁が取り付けられています。煙室は比較的短く、側面から前方の梁に支えのブレースが渡されているのが特徴的です。運転室は当初木製でしたが、後に鋼製に改装され、火室が大部分を占める構造とされていました。このため、機関士は火室の側面から、機関助士は炭水車の上から投炭作業を行いました。

炭水車は4軸から成り、アーチバー式の2軸ボギー台車を2個装備していました。このように、7950形はその形状と技術的特徴から、多くの機関車の中でも独特な存在と言えるでしょう。

運用歴

7950形は、国有化された私鉄の車両を取り込む過程で登場した機関車であり、試験的に導入されました。最初の運用先は東海道線の箱根越えであり、その後は軽井沢以西の信越線でも活躍しました。その適応力のおかげで、7950形は好成績を収め、多くの鉄道ファンから親しまれました。

後に鉄道院になった後、7950形は北海道へ転任し、函館本線や宗谷本線でも使用されました。運行開始から30年以上が経過した1928年には、段階的に運用が停止され、一部の機関車は入換用として活用されました。しかし、1933年11月には全機が廃車され、解体される運命にありました。保存車両や民間への払下げはなかったため、7950形はその存在を記録としてのみ残すこととなります。

主要諸元

この機関車の主要な仕様は以下の通りです。

• - 全長: 14,580mm
• - 全高: 3,797mm
• - 全幅: 2,438mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 車軸配置: 2-6-0(1C)
• - 動輪直径: 1,220mm
• - 弁装置: スチーブンソン式アメリカ型
• - シリンダーサイズ（直径×行程）: 406mm×610mm
• - ボイラー圧力: 11.38kg/m2
• - 火格子面積: 1.38m²
• - 全伝熱面積: 94.1m²
• - 性能: シリンダ引張力 8,150kg

このように7950形は、歴史的価値とともに、その設計と運用の中で多くのエピソードを持った蒸気機関車として、鉄道史の中で重要な位置を占めています。

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