国鉄DE11形ディーゼル機関車

国鉄DE11形ディーゼル機関車

国鉄DE11形ディーゼル機関車は、日本国有鉄道が1960年代後半に開発したディーゼル機関車です。この機関車は、急増する鉄道貨物輸送のニーズに応えるために設計されました。当時、貨物ヤードでの作業、特に貨車の入換作業では、従来のディーゼル機関車では牽引力や制動力が不足していました。そのため、国鉄は新たなディーゼル機関車の開発が急務となりました。

1966年に、入換用や支線用のDE10形の開発に着手し、その成果をもとに1967年に試作車DE10 901が完成しました。この試作品の運用結果を踏まえ、DE11形は重入換に特化した機関車として誕生しました。特徴として、本線での客車牽引を考慮していないため蒸気発生装置 (SG) は搭載されておらず、また制御機能や自重の改良によって牽引力が向上しました。

主要な仕様と番台区分

0番台

0番台は1967年から製造され、65両が作られました。これらの機関車は、大都市近郊での無煙化に貢献しました。新鶴見機関区や大宮機関区、吹田第一機関区などに配置されていました。1984年までは重入換作業に多く使用されていましたが、貨物輸送システムの改革によって使用頻度が減少し、1987年までにほとんどが廃車されました。

1000番台

1979年から製造が開始され、46両が製造されたこのグループはエンジン出力が向上しました。重入換と小貨物列車に使用され、特に自動無線操縦装置を搭載して試験運用も行われたが、すぐに撤去された経緯があります。大半の車両は1987年までに廃車となり、残った車両は首都圏での入換作業に使用されました。

1900番台

1974年に製造されたこの試作車は低騒音対応として設計され、機関室の防音や大型の排気消音器が搭載されました。運転室には初めて空調装置も取り入れられました。1999年には譲渡されましたが、機関系のトラブルにより最終的に解体されました。

2000番台

1979年に製造が開始されたこの番台は、さらなる防音対策が施されたディーゼル機関車です。横浜羽沢駅周辺の騒音問題への対応として、車体長が通常型よりも延長されるなどの設計改良が行われました。

保存機

一部の車両は静態保存されていましたが、近年解体されています。例えば、DE11 2やDE11 10などがその対象となりました。

結論

DE11形は、国鉄が直面した鉄道貨物輸送の増加に対策として誕生した機関車であり、その設計には様々な工夫が凝らされています。各番台ごとの特徴や運用実績は、日本の鉄道史においても重要な位置を占めています。

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