国鉄DF50形ディーゼル機関車

DF50形ディーゼル機関車

概要

DF50形ディーゼル機関車は、日本国有鉄道（国鉄）が1957年に開発したディーゼル機関車です。この機関車は、非電化の亜幹線の無煙化を目的に作られ、1963年までに追加で製造が進められました。DF50形は、日本各地で特急列車や貨物列車に幅広く利用され、特に多くのトンネルを持つ路線において、その無煙化効果が高く評価されました。

本機は、急勾配区間では補機としても使用されることがあり、車両数は0番台65両、500番台73両の合計138両が製造されました。特に500番台は、定格速度がわずかに高かったため、優等列車が多く通る路線での使用が見られました。

車両特性

DF50形は開発当初、液体変速機の技術が未熟だったため、ディーゼルエンジンが直接駆動する電気式の動力伝達方式が採用されました。重連運転が可能だったことから、片運転台で製造されたDD50形とは異なり、DF50形は両運転台の設計となり、亜幹線での単機運用を可能にしました。

車体は普通鋼製の箱型で、貫通扉を持ち、全体的にED70形電気機関車に似た形状をしています。塗色も当初はぶどう色の塗装でしたが、1963年ごろから新しい配色に変更されました。特に、この線路での使用を考慮し、軸重を14トン以下にするために6動軸を採用し、B-B-B型の軸配置を初めて導入しました。これにより、曲線通過時のレールへの横圧を軽減しました。

また、DF50形は冬季の運用時に暖房用ボイラーを搭載しており、旅客列車牽引時に不便さを解消しました。エンジンについては、0番台は新三菱重工業が製造した直列8気筒の三菱神戸ズルツァー8LDA25Aエンジンを搭載し、500番台では西ドイツのMAN社と技術提携したV型12気筒エンジンを採用しました。エンジンによる音色は、エンジンの種類によって大きな違いを感じることができました。

性能

DF50形は、日本のディーゼル機関車の過渡期に位置し、幹線の主力機関車として利用するには出力不足が目立ちました。ただし、主電動機の特性により、低速から高速までの運用が可能で、全車軸駆動による強力な引き出し能力を持っていました。

運用の変遷としては、初期段階では故障がありましたが、次第に安定した性能を発揮し、非電化区間での旅客列車に主に利用されました。ただし、旧来の蒸気機関車に比べては性能が劣っており、1962年にはより高出力のDD51形ディーゼル機関車が登場しました。

運用歴

DF50形は、亀山機関区や米子機関区、高松運転所などで使用され、主要な路線で活動を続けましたが、1976年には廃車が始まりました。特に、紀勢本線や日豊本線などでの運用が行われ、最後の優等列車牽引を1979年に行ったものの、次第に運用が縮小されました。

四国では、貨物や客車牽引の主力として重連運行が行われ、1981年には臨時急行「はつはる号」の運行も確認されています。最終的に1983年に全車両が廃車となり、試作機の1号機と量産機の18号機のみが保存されています。

まとめ

DF50形ディーゼル機関車は、その革新的なデザインと運用は日本の鉄道史において重要な役割を果たし続けました。これはディーゼル機関車の発展にも寄与し、後のデザインや技術の基盤としても有名です。また、最終的に廃車されることとなった機械も、現在では貴重な歴史的遺物として保存されています。

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