国鉄ED37形電気機関車

国鉄ED37形電気機関車

国鉄ED37形電気機関車は、かつて日本国有鉄道（国鉄）に在籍した直流用電気機関車です。その出自は、戦時中の混乱期にまで遡ります。

誕生の経緯

元々は、奥多摩電気鉄道が新線開業のために1943年（昭和18年）に東京芝浦電気（現在の東芝）へ発注した電気機関車（1020形1021号機）でした。しかし、1944年（昭和19年）の完成時には、奥多摩電気鉄道が戦時買収により国有化されていたため、この機関車は直接国有鉄道に納入されることになりました。

この機関車は、東芝が製造した標準的な凸型車体の電気機関車であり、同型機が各地の私鉄にも多数納入されています。国鉄に編入されたものとしては、宮城電気鉄道から引き継がれたED35形があります。

国鉄での運用

当初、この機関車は国鉄形式を与えられず、西国立機関区（後の立川機関区）に配置されました。そして、青梅線や南武線で貨物列車の牽引に用いられました。その後一時的に作並機関区（仙山線）へ転属しましたが、1952年（昭和27年）1月には小野田線に移り、旧宇部電気鉄道区間の石炭列車牽引を担当することになりました。

同年、他の私鉄買収電気機関車とともに国鉄形式が付与され、ED37形ED37 1と改称されました。さらに1961年（昭和36年）には、ED29形（2代）ED29 11へと再度改称されています。

1962年（昭和37年）には、浜松機関区へ転属し、構内入換用機関車として運用されました。そして、1963年（昭和38年）11月に廃車となり、解体処分されました。

関連事項

この機関車は、東芝製の戦時標準型電気機関車の一例として、その存在を知ることができます。同型機は、以下のような私鉄でも活躍しました。

宮城電気鉄道ED35形電気機関車
東武ED4010形・ED4020形電気機関車
西武1形電気機関車
西武31形電気機関車
京成デキ1形電気機関車
名鉄デキ600形電気機関車
南海ED5151形電気機関車
西鉄ED200形電気機関車
* 富山地方鉄道デキ14730形電気機関車

これらの機関車は、日本の鉄道史における重要な一部であり、当時の技術水準や社会情勢を反映する貴重な存在です。

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